農業研究本部

山内 和律 他:大ヨークシャー系統豚「ハマナスW2」

大ヨークシャー系統豚「ハマナスW2」の造成

山内和律 小泉徹 梶野清二 岩上弦太郎

道総研農試集報.97,29-37 (2013)

 系統豚「ハマナスW1」とスウェーデン原産大ヨークシャーを基に,閉鎖群での選抜試験によって,大ヨークシャー系統豚の造成を行った。選抜試験の対象形質は30 - 90kgにおける日増体重 (DG) ,90kg時背脂肪厚 (BF) ,総産子数および肢蹄とした。DGおよびBFはアニマルモデルBLUPによる総合育種価,総産子数は雄における同腹きょうだい数による独立淘汰,そして,肢蹄は5を最適とする9段階の審査スコア値による独立淘汰により選抜を行った。
DGは改良目標が80gに対し育種価で80.19g増加したが,BFは-3mmに対し-0.1mmであった。これは,肢蹄および総産子数における独立淘汰選抜等の影響によると考えられた。総産子数は育種価で増加が確認された。また,肢蹄の強健性を表す肢蹄スコアは,世代が進むにつれて最適値5からの偏差が縮小し,最適値に近づいていることから,選抜による改良の効果が示された。ランドレース系統豚「ゼンノーL01」との交雑雌豚は,「ハマナスW1」と「ゼンノーL01」との交雑雌豚より総産子数,正常産子数ともに多かった。


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