農業研究本部

アズキ新品種「しゅまり」の育成

藤田 正平、村田 吉平、島田 尚典、青山 聡、千葉 一美、松川 勲、白井 滋久、三浦 豊雄、越智 弘明 近藤 則夫

北海道立農試集報.82,31-40 (2002)

 「しゅまり」は,1989年に北海道立十勝農業試験場(農林水産省小豆育種指定試験地)で中生,良質のアズキ茎疫病抵抗性「十系494号」を母,アズキ落葉病,萎凋病抵抗性「十系486号」を父として人工交配した雑種後代から育成され,2000年に北海道の奨励品種に採用されるとともに,農林水産省の新品種として認定され,「しゅまり」と命名登録された。本品種は,重要な土壌病害であるアズキ落葉病,茎疫病,萎凋病抵抗性を合わせ持つ初めての品種であり,加工製品は餡色が良好で風味が強いと実需者の評価も高い。中生種栽培地帯等のこれら3土壌病害の発生地帯で,「エリモショウズ」と「きたのおとめ」の一部などと置き換えて普及することで,道産アズキの良質安定生産に大きく寄与できる。


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