農業研究本部

稲品種の低温発芽性に関する育種学的研究
第5報 雑種初期世代集団における発芽性

佐々木 多喜雄

北海道立農試集報.21,48-56 (1970)

 稲種子の低温発芽性に関する、遺伝的特性を明らかにするため、雑種集団を供試し て、低温発芽性の変異性などについて検討した。  F2種子集団の低温発芽性は、正規分布に類似した分布を示し、その平均発芽日数 は平均親に近い値であった。しかし、両親の低温発芽性の程度によって、いくらか傾 向が異なった。また、同一組合せでも、相反交雑によって、平均値が有意に異なる場 合がみられた。F3-F4、F4-F5の親子相関は、1%および0.1%水準で、有意 であった。  低温発芽性と、いくつかの形質間との相関は、特に籾100粒重との間に、F3お よびF4ともに、有意な正の相関関係が認められた。


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