農業研究本部

硬質春播小麦における製粉性の遺伝的統計量と選抜方法

佐々木 宏、長内 俊一

北海道立農試集報.30,1-8 (1974)

 小麦の3交雑、農林35号×ホクエイ(春播硬質×秋播軟質)、農林42号×北育 1号(春播硬質×春播軟質)、農林75号×Thatcher(春播硬質×春播硬質)の54系統 を用い、F8~F11の4世代ビューラーテストミルによる製粉試験を行ない、製粉 性に関与する8形質を調査した。  分散分析と親子回帰によって推定したミリングスコア・製粉歩留・灰分移行率の遺 伝力は千粒重・容積重・灰分より高く前者の3形質相互間には世代・交雑をとわず密 接な遺伝的関連が認められた。容積重と製粉性の関係は交雑によって果なり、硬質× 硬質で高かった。  これらの遺伝情報と選抜実験に基づき、間接的に容積重によって1/3の選抜が可 能であること、その後製粉試験を行ないミリングスコアによって10%の強い選抜が 効果的に行なえることを提唱した。


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