農業研究本部

根圏土壌の理化学性が牧草生育に及ぼす影響
第2報 鉱質土壌における牧草根の発達分布

大崎 亥佐雄、奥村 純一、関口 久雄

北海道立農試集報.32,35-44 (1975)

 草地の経年化に伴って対応的に変化する土壌の理化学性の影響を直接的に反映する とみられる牧草根の分布状態について検討した。  その結果次の事実を認めた。 

1.牧草根の発達は生育の老若をとわず土壌ち密度によって直接的に影響を受けた。
2.経年化に伴って根系は表層部に集中する。
3.2)の傾向は多収草地ほど顕著となる。

  このうち、2)の表層集中化現象は1)によってもたらされる影響のほか、牧草の生理 生態に由来して発生する新根がtop dressingされる草地特有の管理技術とよく対応す ることから理解された。また3)の現象は全乾物生産量の地上部と地下部への配分比が 根からの養分供給量が多いほど地上部に多くなるという観点から理解できる。  以上の諸結果にもとづき、草地土壌における施肥位置や牧草根の養水分吸収の機能 分化などについて推論した。


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