農業研究本部

とうもろこし新品種「ヘイゲンワセ」の育成について

仲野 博之、国井 輝男、櫛引 英男

北海道立農試集報.33,31-38 (1975)

 「ヘイゲンワセ」(道交16号)は、1969年北海道立十勝農業試験場で育成した、とう もろこし複交配一代雑種である。組合せはNl9×CM7を種子親、W41A×W79Aを花粉親と した。N19は本道在来種より育成したフリント種、CM7はカナダより導入したフリント 種、W41AおよびW79Aは米国から導入したデント種である。1973年「とうもろこし農林 交15号」として登録された。  特性は「交4号」に比べて短稈で細く雌穂は類似するが着雌穂高はやや高い。全葉 数は約14枚で分けつ数は少ない。粒は黄色のセミデント種である。熟期は「交4号」 より3~4日早い早生種で、耐倒伏性が強く機械化栽培に適している。すす紋病抵抗 性はやや弱い。子実収量は「交4号」並みであるが茎葉収量はやや少ない。採種栽培 は安定しており採種量が多い。  適地は北海道東・北部で「交4号」におきかえて栽培する。短稈、早熟、耐倒伏性 が強いので多肥密植栽培を行う。


全文(PDF)