農業研究本部

水稲稚苗栽培における育苗用床土の理化学的特性に関する研究

南 松雄、藤原 耕治

北海道立農試集報.36,9-19 (1977)

 水稲機械化移植栽培における稚苗用床土の好適条件を明らかにするため、育苗用人 工床土と慣行の苗代土壌及び水田土壌を用い、これら床土の理化学的性状と苗生育の 関係について比較検討した。  その結果、床土の物理性としては、容水量が大きく、10分間吸水量が30%前後、 pF0~2.8脱水量が20%前後、粗孔隙量が10%以上保持されている団粒化した土 壌構造が望ましく、土性は中粒質のものが適していた。また、脱水性の良好な床土は 吸水性もまさる傾向を認めた。  化学性としては、塩基置換容量及び吸着強度が大きく窒素溶出量の少ない床土が望 ましく、pHは4.5~5.0、電気伝導度は1.5㎜ho以下が好適であった。さらに、苗諸 形質からみて、播種時床土の無機態窒素の適量は40~50mg、基肥窒素の適量は箱当り 1.5g前後であった。


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