農業研究本部

施肥並びに土壌水分条件が春播タマネギの生育・収量・貯蔵性に及ぼす影響
3 貯蔵性低下の要因ならびに本畑生産条件と貯蔵性

岩渕 晴郎、平井 義孝、多賀 辰義、相馬 暁

北海道立農試集報.36,53-62 (1977)

 タマネギ貯蔵性の低下は、腐敗や庫内貯蔵後半に多発する萌芽、発根、重量減少な どによる。萌芽・発根は庫内条件の影響が大であるが、萌芽は貯蔵性を著しく損ね、 小球ほど多発する。  腐敗は産地・年次間の変動が大で病害の種類も多様であるが、予乾中の発生がその 大半を占めた。とくに乾腐病による尻ぐされは予乾中に多く、しかも小球ほど多かっ た。貯蔵中の腐敗は本畑の腐敗発生が多い場合に多発するが、施肥条件との直接的な 関係は明らかでなかった。  しかし生育収量に好適な土壌水分・施肥条件では、小球が少なく萌芽・重量減少が 少ない。さらに萌芽については、球の大きさのみならず球内成分との関連もあり、窒 素多肥は萌芽そのものを増大させた。また生育収量に好適な本畑条件では、本畑の乾 腐病発生が少なく全般的に貯蔵中の腐敗も少ない傾向があった。


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