農業研究本部

窒素供給期間の差異が春播きタマネギの生育・収量及び球形に及ぼす影響

赤司 和隆、平井 義孝、岩渕 晴郎

北海道立農試集報.37,45-55 (1977)

 高窒素条件(120ppm)及び低窒素条件(50ppm)における時期別窒素供給が春播きタマネ ギの生育、収量及び球形に及ぼす影響を検討した。  高窒素、低窒素条件とも窒素供給打切りが生育、収量に及ぼす影響はほぼ同様で、 打切りが遅いほど収量が増大したが、球肥大盛期以後に打切った区間では、統計的に 有意差は認められなかった。しかし最高収量は高窒素条件で倒伏期以後打切り区で得 られたのに対し、低窒素条件ではより遅い時期の枯凋始期以後打切り区で得られた。 また生育期間の途中約1カ月間、窒素供給あるいは欠除した処理でも活着~球肥大盛 期間処理の影響が大であった。窒素欠除の影響は球高よりも球径で大であり、早期欠 除ほど長玉化し、また収穫期までの窒素供給も球径の低下を招くため同様に長玉化し た。  以上の結果を総合的にみると窒素吸収は伸長期~球肥大盛期までが最も重要な時期 であり、倒伏期以後の窒素供給は極端な窒素不足の場合を除き収量増大に働かないこ とが明らかとなった。


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