農業研究本部

チモシー新品種「ホクシュウ」の育成について

植田 精一、増谷 哲雄、古谷 政道、樋口 誠一郎、筒井 佐喜雄

北海道立農試集報.38,47-61(1977)

 チモシー「ホクシュウ」は、1972年より1976年にかけて北海道立北見農業試験場牧 草育種指定試験地において、集団選抜法により育成された晩生の採草・放牧兼用品種 である。  1974年より3年間、「北見7号」の系統名で各種検定試験に供し、必要な諸会議の 検討を経て、1977年5月農林省に新品種(チモシー農林3号)として登録された。  刈取り収量は「センポク」(早生採草用品種)並みの水準にあり、刈取適期幅の拡大 延長を可能にした。  また放牧利用による草量は「Heidemij(流通名;ノースランド)」(晩生放牧用品種) に勝り、その他放牧向き諸特性を有する。  本品種は、採草および放牧の両利用において北海道全域に適する。採草利用する場 合、出穂期前後に刈取ることが望ましいが、倒伏には注意が必要である。越冬性はチ モシー品種のなかで中程度と考えられるので通常の栽培では特に問題はないが、晩播 は避けた方が良い。


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