大豆新品種「キタコマチ」の育成について
砂田 喜与志、三分一 敬、酒井 真次、土屋 武彦、紙谷 元一、佐々木 紘一
北海道立農試集報.41,81-90 (1979)
大豆「キタコマチ」は、1965年北海道立十勝農業試験場で白目、中粒、良質、多収 品種の育成を目的として、「十育129号」×「トヨスズ」の人工交配を行い、以後系 統育種法で選抜固定を図ったものである。 1972年以降「十育167号」の地方番号を付して、各種試験を重ね、諸会議の検討を 経て、1978年6月農林水産省に新品種(だいず農林64号)として登録され「キタコマチ」 と命名された。 本品種は白目、中粒で、「トヨスズ」よリl0~14日早熟、早生種の「イスズ」並の 成熟期である。主茎長は「トヨスズ」並、草姿は「トヨスズ」によく似ているが葉色 はやや淡い。収量は「トヨスズ」より7%前後劣るが熟期が早いため安定している。 ダイズシストセンチュウに対する抵抗性はない。耐倒伏性は「トヨスズ」並で強い。 耐冷安定性は早熟なので安定している。 栽培適地は、上川管内および収穫、乾燥時の天候がこれに類似する地帯である。
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