トウモロコシの晩霜害と種子の覆土深との関係
櫛引 英男、桑畠 昭吉
北海道立農試集報.45,1-6 (1981)
稚苗の生育初期に剪葉したホールクロップのTDN収量は生育の進んだ時点におけるよりも高かった。しかし、いずれの場合も播種期を遅らせたよりも多収であった。 降霜被害を左右すると考えられる生長点の深さは覆土深と正の直線回帰により示されたが、稚苗の生育に伴なって地表面に移動した。 2.5葉期において、生長点の深さを1.0㎝確保するに必要な覆土深は2~3㎝と推定された。 降霜害をうけた農家圃場において、1㎝前後に覆土された個体には生長点に被害をうけて枯死した個体が多く、また被害後の生育も不良であった。しかし、3㎝前後に覆土された個体ははとんど枯死せず、良好な生育を示した。 土深を一定以上に保つことによって軽減され、播種期を遅らせることよりも有利であると推論された。
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