農業研究本部

だいず新品種「スズヒメ」の育成について

砂田 喜与志、酒井 真次、後藤 寛治、三分一 敬、土屋 武彦、紙谷 元一

北海道立農試集報.45,89-100 (1981)

 だいず「スズヒメ」は、ダイズシストセンチュウ抵抗性品種の育成を目的として、1960年に「PI 84751」×「コガネジロ」の人工交配を行い、F2以降線虫圃場で選抜固定を図ったものである。  1977年以降「十育182号」の系統名を付して、各種試験を重ね、1980年6月農林水産省に新品種(だいず農林71号)として登録され「スズヒメ」と命名された。  本品種は白目、小粒、「トヨスズ」より7~8日早熟の中生種である。主茎長は、「トヨスズ」よりやや長い。収量は、育成地の標準栽植密度では、「トヨスズ」より低いが、密植にすると「トヨスズ」に近い収量を示す。ダイズシストセンチュウに対し、「Peking」並みの極強の抵抗性をもっている。耐倒伏性は「トヨスズ」と同様に強く、耐冷性も「トヨスズ」並みである。  裂莢性は、「トヨスズ」より裂莢しにくい。納豆加工適性にすぐれている。  栽培適地は、十勝中部地域および類似の地域である。


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