根室地方の採草地における植生、施肥量、土壌の化学性が生草収量に及ぼす影響
松中 照夫、小関 純一、松代 平治、赤城 仰哉、西陰 研治
北海道立農試集報.49,22-31 (1983)
根室地方の草地生産力規制要因を明らかにすることを目的に、758の草地を対象に収量に影響を及ぼす各種要因を調査した。その結果、チモシーが主体でケンタッキーブルーグラス、レッドトップおよび裸地割合の少ない草地で生草収量が高かった。 チモシー被度が低ければ、施肥量を増加させても増収効果は明らかでなかった。窒素の多肥はマメ科草割合を低下させるだけでなく、土壌pHを低下させた。これらのことは、ケンタッキープルーグラスやレッドトップの侵入を助長し、植生を悪化させる要因であった。 土壌中のMgO含量とpHおよびK2、CaO、P2O5含量との間には、いずれも正の高い相関があり、MgO含量の多い草地では土壌の化学性が全般に良好で生草収量も高いことが明らかとなった。
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