農業研究本部

アカヒゲホソミドリメクラガメの要防除水準

八谷 和彦

北海道立農試集報.53,43-49 (1985)

 斑点米を発生させるカメムシ類の要防除水準を検討した。対象はアカヒゲホソミドリメクラガメ,品種は「イシカリ」とした。その結果,
1.すくい取りによる出穂期後30日間の平均捕獲個体数と出穂期の平均比日数とから,収穫した玄米中の斑点米混入率を予測する重回帰式を得た。これをもとに,玄米等級の許容限度に対応するカメムシの捕獲個体数を求めたところ,出穂期が平年並の場合,1等米0.89頭,2等米2.90頭,3等米7.23頭となった。
2.防除試験から求めた薬剤散布による防除価は,3回散布が89%,4回散布が94%であったが,その振れは大きかった。
3.防除開始時期直前に当る第2回成虫発生最盛期の発生量と加害時期の発生量との比は,平均で1:0.39であったが,年次により変動が大きかった。
4.1回のすくい取り調査による信頼範囲は,捕獲個体数の0.29~3.46倍と広かった。 

以上の結果をもとに,カメムシの要防除水準と防除技術について考察した。


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