農業研究本部

アズキ新品種「ハツネショウズ」の育成について

足立 大山、成河 智明、千葉 一美、村田 吉平、原 正紀、島田 尚典

北海道立農試集報.57,13-24 (1988)

 「ハツネショウズ」は、北海道立十勝農業試験場において、アズキ落葉病抵抗性が強く多収な品種の育成を目標に、1976年、「ハヤテショウズ」を母、「赤豆」を父として人工交配し、以後、選抜、固定を図ったものである。  1982年以降、「十育l16号」の系統名で生産力検定試験、地域適応性検定試験等に供試した結果、アズキ落葉病に対する栽培上の優点が確認された。1985年6月、農林水産省の新品種に認定され、「ハツネショウズ」(あずき農林6号)として命名登録され北海道の奨励品種に決定した。  本品種は、「エリモショウズ」にくらべて成熟期が同じ中生種に属するが、子実の収量および外観品質ではやや劣る。しかし、アズキ落葉病に対しては、他のいずれの優良品種にもない強い抵抗性をもつ。  栽培適地は、十勝中央部およびこれに類似の地帯で、アズキ落葉病が常発し、適正な輪作を行っても被害が発生しているところである。


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