ダイズ新品種「スズマル」の育成について
番場 宏治、松川 勲、谷村 吉光、足立 大山、鈴木 和織、後木 利三、森 義雄、古川 勝弘
北海道立農試集報.58,55-69 (1988)
だいず「スズマル」は、道央地方に適する納豆用の小粒種の育成を目標として1975年に「十育153号」x「納豆小粒」の人工交配を行ない、以降選抜、固定を図ってきた系統である。 1984年に「中育19号」に系統名を付して、各種試験を行い、l988年5月農林水産省に新品種「だいず農林89号」として登録され、「スズマル」と命名された。 本品種は、白日、小粒、「スズヒメ」より4日晩熟の中生種である。 主茎長は「スズヒメ」より長い。収量は、育成地の標準裁培で「スズヒメ」より高いが、「キタムスメ」よりは低い。 ダイズわい化病抵抗性は「ツルコガネ」より弱いが「ユウヅル」よりは強い。 倒伏抵抗性は「スズヒメ」並に強く、裂莢性も「スズヒメ」並の中で「キタムスメ」より裂莢しにくい。 外見的な品質は「スズヒメ」に優る。納豆加工適性は、「スズヒメ」並に良好である。 裁培適地は道央中・南部、羊蹄山麓地域およびそれに準ずる地域である。
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