北海道におけるリンゴ寄生ナミハダニの薬剤抵抗性
ディコホル及び水酸化トリシクロヘキシルスズ剤に対する薬剤感受性
水越 亨
北海道立農試集報.58,101-109 (1988)
北海道内のリンゴ寄生ナミハダ二のディコホル乳剤、水酸化トリシグロヘキシルスズ水和剤に対する抵抗性の発達程度を調査した。 検体は余市町、滝川市、長沼町(中央農試病虫部果樹園)の3地点の同一圃場から毎年採集した。 (1)ディコホルに対して雌成虫では各地とも抵抗性の発達が著しく、特に滝川系統で顕著であった。圃場での薬剤散布の休止によって雌成虫では感受性の復元する傾向が認められたものの、卵では感受性の復元は認められなかった。道内では1980年前後から抵抗性が発達したと考えられる。 (2)水酸化トリシクロヘキシルスズに対して雌成虫では道内3系統とも感受性系統とLC値の差は全く認められなかったが、卵ではR/S比で9.7~10.7と各地点ともに抵抗性が発達している状況であった。本剤に対する抵抗性はまず卵で発達するものと考えられる。 道内ではl98l-1983年頃から抵抗性の発達が起り始めたと考えられる。
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