農業研究本部

小豆の百粒重とアン粒径の関係

加藤 淳、徳光 恵理、市川 信雄、目黒 孝司

北海道立農試集報.66,15-23 (1994)

 北海道産小豆の百粒重とアン粒径の関係について、3年間にわたり調査した。平均アン粒径には品種間、年次間および地域間差異が認められ、これらの中でも品種による影響が大きかった。平均アン粒径は、「エリモショウズ」、「ハヤテショウズ」、「寿小豆」で小さく、「アカネダイナゴン」で大きかった。百粒重と平均アン粒径の間には有意な正の相関関係が認められ、百粒重の大きな小豆では、粒径の大きなアン粒子の割合が多く、百粒重はアンの粒径組成に影響を及ぼしていた。  官能試験の結果から、粒径組成のピークが100~150メッシュ(150~100μm)の範囲にある一般的なアンでは、平均粒径の小さなアンは舌ざわりがなめらかで好まれ、平均粒径の大きなアンは舌ざわりがざらつき好まれないことが確認された。  以上、小豆の百粒重はアン粒子の粒径組成を支配し、食感に影響を与える重要な形質の一つであると判断された。


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