農業研究本部

菜豆新品種「雪手亡」の育成について

品田 裕二、飯田 修三、千葉 一美、原 正紀、佐藤 仁、中野 雅章

北海道立農試集報.66,25-34 (1994)

 「雪手亡」は、インゲン炭そ病抵抗性で多収良質の手亡類品種の育成を目標として1983年に北海道立十勝農業試験場において、「十育A40号」×「82HW‐B1Fl」の交配を行い、以降選抜、固定を図ってきたものである。  1989年以降「十育A52号」の系統名で各種の試験を重ねてきた結果、1992年に北海道の優良品質に認定され、「雪手亡」と命名され、登録された。  本品種は、インゲン炭そ病に対する抵抗性が強で、早晩性は、中生に属し成熟期は「姫手亡」と同時期であるが、子実収量は同品種よりやや多収である。粒大は「姫手亡」並であるが、粒色は同品種より白く、屑粒も少ないことから、外観品質は「姫手亡」に優る。  栽培適地は全道一円で、「姫手亡」の一部に置き換えて普及する。栽培方法は従来の品種に準ずるが、インゲン炭そ病の茎葉防除は不要である。


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