農業研究本部

菜豆新品種「洞爺大福」の育成について

南 忠、伊藤 平一、及川 邦男

北海道立農試集報.67,19-28 (1994)

 菜豆の新品種「洞爺大福」は、早熟、良質、大粒、多収品種の育成を目標にして、北海道立中央農業試験場において、早生の「中交5407F2」を母に、晩生であるが良質、大粒、多収の「大福」を父として交配を行い以降選抜、固定を図ってきたものである。  1989年以降「中育F12号」の系統名で各種の試験を重ねてきた結果、1992年3月に北海道の奨励品種に採用された。本品種は、主茎長が約2.6mとなるつる性種であり、成熟期は「改良早生大福」並の中生である。花色は白色であり、子実の色も白色である。粒形は腎臓形で、粒大は「改良早生大福」より大きいが、「大福」よりはやや小さい中の大である。主産地における収量は「改良早生大福」並であるが、篩選後の規格内収量は多い。加工適性は、煮豆用及び甘納豆用として「改良早生大福」と同程度の加工適性を有する。栽培適地は北海道一円で、「改良早生大福」と「大福」の一部に代えて普及することが期待されている。


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