窒素欠乏
症状の特徴
1)窒素欠乏では、古葉から葉身全面が淡緑色化する症状が現れ、葉身の生育が低下する(写真1)。
2)新葉は生長が著しく抑制され、小葉化する(写真2)。
3)古葉から新葉へ黄化症状が進行し、古葉は枯死に至る。
4)葉柄部は赤色化する(写真1、2)。
発生しやすい条件
1)通常の肥培管理下ではほとんど発生しないが、未熟な稲わらなどを多量に施用した場合、土壌中の微生物が急激に増殖し、作物と微生物の間に窒素の奪い合いが起こり、作物に窒素欠乏(窒素飢餓)が発生する。
窒素の役割
1)窒素は作物の葉緑体タンパク質、酵素および核酸などの成分として重要な要素であり、欠乏すると葉緑素の生成が阻害され、葉全面に黄化症状が生じる。
2)葉の黄化により、光合成能が低下して生育が抑制される。
3)窒素は体内で移動しやすいため、欠乏条件では古葉から生育の盛んな新葉へと窒素が移動し、古葉から黄化症状が生じることが多い。