【普及奨励事項】
花ゆり「岩宇16号」に関する試験成績(新品種名「えぞこがね」)
         道立中央農業試験場園芸部 岩宇園芸試験地

・ 育種目標
 促成切花用で早生。花色赤色又は黄色。花被片の斑点は少ない。花梗は短い。花は大輪。蕾の毛少ない。葉は細く短く。水平又は稍々上向。病害に強く栽培容易。

・ 来歴
 昭和27年、岩内地方海岸に自生の「えぞ透百合」を採集。1作の優良な個体を母体として、昭和28年、愛知県園芸試験場より各種透百合の花粉の送付を受け交雑育成を行った。28年♀えぞ透百合×♂不明(透百合)の交配。29年播種。32年開花。36年開花。33年予備系統522号として選抜増殖。36年本系統として増殖。40年岩宇16号

・ 特性
 開花期は岩内地方で6月中〜下旬。花色は黄橙色で弁尖やや赤色ぼかし。花被片の斑点中位。反転しない。花の大きさは中輪で雌ずいは黄橙色で柱頭は紫赤色。雄ずいは黄橙色。花粉は茶褐色。花梗の長さは短い。蕾の毛は中位。草丈50cm内外。葉は緑でやや垂下。葉巾は中で長さは短い方である。

・ 主要な具体的データー
 開花期(岩宇園芸試験地)
年次/
品種系統名
予備系統 本系統 平均
34
(月日)
35
(月日)
36
(月日)
39
(月日)
40
(月日)
41
(月日)
岩宇16号 6. 9 6.21 6.17 6.16 6.26 6.18 6.20
えぞ透百合 5.26 6. 7 5.27 6.15 6.14 6. 5
金 剛 城 6.21 6.17

・ 適用地帯及び栽培上の注意
 「えぞ透百合」が母体であるので土壌乾燥及び寒さには極めて強いが球根が稍々剥れ易い欠点があるので砂質土及び火山灰土のような軽い土で栽培が望まれる。
 (注)奨励品種については、種苗審議会の議を経て決定する。