【指導参考事項】
大豆のコンバインによる収穫法に関する試験
農林省 北海道農業試験場畑作部
          機械化栽培研究室

・ 目的
 コンバインの利用範囲の拡大と豆類の一貫機械化体系確立のための大豆のコンバイン収穫試験を行い利用上の資料を得る。

・ 試験方法
 1. 試験場所:北海道農業試験場畑作部
 2. 供試コンバイン:ジヨンデア45コンバイン(刈巾3.66m、ローカットカッターバー付)
 3. 供試品種:シンセイ、ワセコガネ、北見白、コガネシロ
 4. 耕種梗概:畦巾60cm、株間15cm2粒播きを施肥播種機で行い、その後の管理作業は一貫して機械で行った
 5. 大豆の性状:草丈は64〜77cm、着莢位置5.7〜9.6cm

・ 試験結果の概要
 1. 大豆のコンバインによる収穫法を見出すため、自走式コンバインを中心に試験を実施した。その結果、大豆の直接刈取方式での収穫は実用性があると考える。
 2. 子実の乾重が安定するのは、子実含水率30%程度であるが、この時点での茎稈は50〜60%、莢は30%程度である。この条件下でも、コンバイン調整によって脱粒損失を15%までに止めうるが、粒の品質は低下する。したがって、コンバイン収穫を行う場合、子実含水率20〜25%以下で収穫することが望ましい。
 3. 供試材料は子実含水率が低下する程、脱粒性能は向上する。子実含水率14〜18%付近までは粒損失のうち未脱は過半を占め、それ以下になると破砕による損失が多くなって、損失は再び上昇傾向を示す。したがって、粒損失を最少限にするための調整は、子実含水率14%程度ではシリンダ周速を下げ、18%程度では26m/sec程度に上昇させることが望ましい。
 4. シリンダ型式については、スパイク型とラスプバー型では大きな差はみられなかった。
 5. ほ場損失は5%程度であったが、ほ場の均平化、刈巾との関係を考慮することにより低下させうると思われる。

・ 主要成果の具体的データー
 第1図 子実水分と損失との関係

 注意事項
 1. 刈取時の子実含水率を25%程度以下に下げること。
 2. ほ場の均平化
 3. 育の均一化と着莢位置
 4. 材料の条件に対するコンバインの適切な調整