【指導参考事項】
有孔ポリシ−トによる水口防止試験
道南農試 作物科
(昭和42〜43年)

・ 目 的
 ポリシ−トの使用によって水口水田の青立防止を計る。

・ 試験方法
年   次/
区   別
42年 43年
ポリシ−ト水口全面使用
  〃    〃 2/3 〃  
  〃    〃 1/3 〃  
  〃    〃  0  〃
 
1区潅漑水量 30a 25a
1区面積 250m2 82〜252m2
区  別 1 1
供試品種名 南栄 南栄、渡育154号…(熟苗)


・ 試験成果の概要
 1. 水口田にポリシ−トを被覆すれば、いかなる天候下でも地水温は高く、夜間の保温効果も高い。シ−トを全面被覆した場合は水層60%は水口冷水の影響が軽微となる。
 2. シ−トの被覆割合では割合の多い程勝れる傾向にあるがその差は少ない。
 3. シ−ト被覆区の生育は旺盛で、特に初期に効果高く、茎数の確保は早い。
 4. シ−ト被覆区の(水層より)50〜80%は出穂遅延が少なく、登熟も良好である。
 5. シ−ト被覆区の収量は無処理区に比べ10%以上の増収は期待出来る。
 6. シ−トの被覆割合では多い程良好であるが、差が少ないので、2/3程度以上あれば十分と思われる。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
 水口田におけるポリシ−トの水温に及ぼす効果
天  候/
区  別/
測定場所
快晴
シ−ト 無処理 シ−ト 無処理 シ−ト 無処理
水取り入り口 14.4 17.0 23.1
水口より1m 19.1 19.0 22.6 21.7 25.1 24.4
  〃  20m 20.0 19.3 24.7 23.1 27.0 25.5
  〃  30 21.1 20.5 25.3 23.8 28.2 26.8
  〃  40 20.6 20.5 25.0 23.9 27.9 27.0
  〃  50 21.1 20.4 24.7 23.8 28.0 26.4
  備考−42年 曇(6月7日)  晴(6月5.6.9日)  快晴(6月8日)
           9.11.13.16観測の平均温度

出穂期 玄米収量


出穂期


玄米収量

・ 普及指導上の注意事項
 1. ポリシ−トの種類は透明なものを使用し、潅漑水はその被覆の下を通す。
 2. シ−トの被覆割合は潅漑面積により異なるが、水口2/3以上は必要である。
 3. 従来の水口防止技術を組合わせる。