【普及奨励事項】
(2) 「北海47号」 北海道農試作物第1部・中央農試畑作部・十勝農試・根釧農試・北見農試・上川農試・天北農試 |
・ 育種目標
早期肥大性 高でん粉 多収
・ 来 歴
交配親 : | 母−オオジロ 父−Hochprogentige |
昭和35年度: | 人工交配 以後選抜を行う |
昭和38年度: | 60083-10として、系統選抜試験編入 |
昭和39年度: | 生検予備 40年度生産力検定試験編入 |
昭和41年度: | 島系479号となり、道内試験機関および特検などに配布 |
昭和42年度: | 北海47号と命名される |
・ 主要成果の具体的デ−タ−
1. 特性調査(4ヵ年平均)
叢 性 |
茎 長 |
茎 色 |
茎 数 |
花 色 |
葉 色 |
塊 茎 | い も 着 |
食 味 |
休 眠 |
疫 病 |
塊 茎 腐 敗 |
貯 蔵 性 |
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形 | 皮 色 |
大 き さ |
目 の 深 さ |
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北海47号 | 中 | cm 72 |
緑 | 3.9 | 淡 紫 |
緑 | 扁長 卵 |
淡褐 | 中 | 中 | 密 | 中 | 中 | 中 | ヤ 強 |
良 |
農林1号 | 中 | 78 | 緑 (紫) |
3.5 | 白 | 緑 | 扁球 | 黄白 | ヤ 大 |
深 | 密 | 中 | 中 | 中 | 中 | 中 |
エニワ | ヤ 直 |
85 | 緑 | 2.5 | 白 | 緑 | 扁卵 | 淡褐 | 大 | ヤ 浅 |
ヤ 疎 |
良 | 長 | 中 | 良 |
萌 芽 期 (月日) |
開 花 期 (月日) |
黄 変 期 (月日) |
早 堀 | 普通堀 | 栽植密度および施肥量による でん粉収量と割合 (kg/10a) |
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収 量 比 (%) |
で ん 粉 価 (%) |
上いも 収量 (kg) |
比 | で ん 粉 価 (%) |
で ん 粉 収 量 (kg) |
一 個 重 (g) |
標 準 |
密 植 |
多 肥 |
多肥 密植 |
||||
北海47号 | 5.31 | 7. 7 | 9.11 | 117 | 17.2 | 3.235 | 98 | 21.0 | 627 | 89 | 676 (122) |
658 (117) |
891 (128) |
877 (1211) |
農林1号 | 5.31 | 7. 6 | 9.17 | 100 | 13.5 | 3.196 | 102 | 17.0 | 511 | 112 | 556 (100) |
363 (100) |
694 (100) |
727 (101) |
エニワ | 6. 5 | 7.14 | 9. 9 | 70 | 14.6 | 2.797 | 88 | 19.3 | 512 | 100 | − | − | − | − |
天北農試 | 北見農試 | 上川農試 | 中央農試 | 十勝農試 | 根釧農試 | ||||||||
いも 収量 |
でん粉 収量 |
いも 収量 |
でん粉 収量 |
いも 収量 |
でん粉 収量 |
いも 収量 |
でん粉 収量 |
いも 収量 |
でん粉 収量 |
いも 収量 |
でん粉 収量 |
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農林1号実収 (kg/10a) | 3.303 | 522 | 3800 | 553 | 4001 | 728 | 4167 | 643 | 3126 | 459 | 2293 | 369 | |
対農一比 | 北海47号 | 84 | 100 | 107 | 129 | 96 | 115 | 96 | 115 | 101 | 126 | 109 | 138 |
エニワ | 97 | 111 | 88 | 96 | 94 | 99 | 82 | 92 | 94 | 108 | 110 | 123 |
・ 適応地帯並びに栽培上の注意
1. 適応地帯:
全道一円のでん粉原料地帯とし、塊茎肥大およびでん粉蓄積経過よりみて10.000ha以上を見込む。現在栽培されている「農林1号」、「紅丸」およびエニワなど中晩ないし晩生種の少なくとも20%以上をこの早熟性品種をもって交替し、将来は50%以上交替してもよいと考える。
2. 栽培上の注意事項:
初期生育が旺盛で、茎葉も繁茂の傾向にあるので、栽植密度は10a当り3.000〜3.500個体とむしろ疎植気味にすることが望ましい。肥料には敏感で、多肥栽培で増収する。こうして1個重の大粒化をはかり、でん粉収量も期待どおり確保できる。疫病に対しては「農林1号」や「紅丸」と全く同様に防除する。枯凋が「農林1号」を上回るので早堀してもよい。いもは小粒になりがちであるが、コンバインを使用すれば収穫は問題ない。貯蔵性についてはとくに心配はない。