【指導参考事項】
てん菜単胚種子の実用化に関する試験成績 1. 種子に関する調査 道立十勝農試 てん菜科 (昭和40〜43年) |
・ 目 的
単胚種子の性状を調査し、機械播種精度の向上、発芽向上のための資料となる。
・ 試験方法
a. 種子の粒形調査
粒形は丸目筱、厚さは縦目筱により区分し、全体の重量に対する比率(%)で示す。
b. 発芽調査
NO2の紙を20cm×20cmの大きさに切り、種子100粒をそれに折込み9.2ccの水を滴下した後、乾燥しないようビニ−ルの小袋に入れ、25℃恒温で調査 4区制
・ 試験成果の概要
単胚品種Monokuhnの種子について
a. 昭和42.43年輸入種子とも粒径は3/4が3.5〜4.0mmの範囲にあり、かなりよく揃っている。
b. 厚さは不揃いであるが、両年次とも1/3が2.2〜2.4mmの範囲にあり、年次による差は少なかった。
c. 発芽率は厚さ2.8mm以上の部分が低いが、このほかでは90%以上で高い単胚率を示した。
・ 主要成果の具体的デ−タ−
a. Monokuhnの種子粒形
a) 粒径(重量パ−セント)
年 次/ 粒径(mm) |
42年 | 43年 |
3.0以下 | 1.1 | − |
3.0〜3.5 | 17.0 | 6.2 |
3.5〜4.0 | 77.3 | 78.5 |
4.0以上 | 5.7 | 15.3 |
厚さ(mm)/ 年 次 |
2.0以下 | 2.0 〜2.2 |
2.2 〜2.4 |
2.4 〜2.6 |
2.6 〜2.8 |
2.8以上 |
昭41年 | 4.2 | 11.1 | 33.4 | 10.5 | 17.8 | 23.0 |
42 | − | 12.7 | 33.6 | 14.3 | 15.8 | 23.6 |
年 次 |
項 目 |
厚さ(mm)/ 粒径(mm) |
2.0以下 | 2.0 〜2.2 |
2.2 〜2.4 |
2.4 〜2.6 |
2.6 〜2.8 |
2.8以上 |
昭 和 42 年 輸 入 種 子 |
発 芽 率 (%) |
3.0〜3.5 | 78.0 | 81.7 | 71.2 | 76.7 | − | − |
3.5〜4.0 | 80.5 | 81.8 | 81.7 | 78.8 | 79.5 | 85.5 | ||
単 芽 率 (%) |
3.0〜3.5 | 99.0 | 99.0 | 94.9 | 97.1 | − | − | |
3.5〜4.0 | 97.8 | 97.5 | 98.6 | 95.4 | 83.7 | 58.0 | ||
昭 和 42 年 輸 入 種 子 |
発 芽 率 (%) |
3.0〜3.5 | − | − | 79.8 | 81.0 | ||
3.5〜4.0 | − | 83.5 | 83.3 | 85.3 | 83.3 | 83.0 | ||
4.0以上 | − | 86.0 | 82.8 | 79.5 | ||||
単 芽 率 (%) |
3.0〜3.5 | − | − | 98.4 | 83.0 | |||
3.5〜4.0 | − | 98.2 | 95.5 | 96.2 | 92.5 | 74.7 | ||
4.0以上 | − | 99.1 | 95.5 | 90.9 |
注) 単芽率= | 単芽種子数 | |
|
(%)で示す。 | |
発芽種子数 |
・ 普及上の注意事項
播種機の播種板を粒形に合わせて調製することが必要である。