【指導参考事項】
そ菜の生育異常に関する試験調査
北海道中央農試 園芸部 (土屋 弘)
(昭和43年)

・ 目 的
 43年春、道内各地に発生したそ菜の生育異常について、各地の被害状況とPCBA散布のワラ及び堆肥について障害の程度、発生時期について調査する。

・ 試験方法
 (1) 被害状況調査は各地被害農家について行った。
 (2) 温室にてPCBA散布やワラ及び堆肥を使用。作物別の被害状況、発芽の影響について調査。

・ 試験成果の概要
 発生場所  6市7町1村
 被害状況  6科18作物 その他雑草1科10種
 (1) 42年度−PCBA散布ワラを浸漬腐敗させ、障害発生せず(併用作物−メロン、トマト)
 (2) 43年春−障害発生床土を使用。11月障害の発生収量の調査 メロン、トマトに障害の発生を決めた
 (3) PCBA散布のワラを使用 発芽障害を検討したが、発芽障害は認められなかった。

 発生場所
  札幌市、小樽市、滝川市、三笠市、夕張市、岩内郡共和村、余市郡仁木町、余市町、空知郡栗沢町、夕張郡栗山町、石狩郡石狩町、亀田郡大野町
 被害作物
  瓜類−西瓜、メロン、胡瓜、南瓜
  茄科−トマト、ナス、ピ−マン
  しそ科−しそ

・ 普及指導上の注意事項
 1. 対策としてPCBA剤を散布した稲ワラ及びこれを材料とした堆肥を苗床に使用しないこと
 2. PCBA剤を散布した水田の土はそ菜床土として使用しないこと
 3. すでに発生した畑にはワラ又は堆肥を散布する。
 4. ワラ、堆肥は使用前にあらかじめ検定を行い被害の有無を推移する
 5. 障害のため床土不足の場合はくん煙、ピ−トモスにて育苗を行うこと
 6. 障害発生する畑では比較的強いネギ、ダイコン、トウモロコシ、レタスの栽培を行うこと