【指導参考事項】
テツダの使用法に関する試験
整理番号 6-4(3)
研究番号 飼料収穫
場所名  北海道農業試験場 農業物理部 機械化第2研究室
試験年次 昭和40年〜

・ 目 的
 牧草刈取り後におけるテツダの適正な使用法を求め乾草調整の効率化をはかるとともに、地干し方式による乾草の収穫作業体系を確立する。(昭和43年度はとくにサイドデリバリ−レ−キに重点をおく)

・ 試験方法
 1. 供試作業機  サイドデリバリ−レ−キ
 2. 供試牧草    オ−チャ−ドとクロ−バの混播牧草
 3. 試験項目
  1) テツダの使用条件と反転拡散状況
   シリンダ回転数95、162r.p.m。(歯桿周速度各3.28m/sec、5.59m/sec)。作業速度2.25、2.44、4.08m/sec
  2) テツダの使用回数と乾燥速度
  (1) 無処理
  (2) 1日1回処理  11時
  (3) 1日2回処理  9時、13時
  (4) 1日3回処理  9時、12時、15時
  (5) 1日4回処理  9時、11時、13時、15時

・ 試験結果
 1. テツディングにより牧草は左側方と進行方向に対して後方に移動拡散されるが、その状態は作業速度が速くなるにしたがって側方えの移動量が小さくなり、後方に対しては大きくなる。
 2. テツディング後の状態は1.25m/secの速度では、ややウインドロ−になる傾向がみられ、4m/secの速度では反転効果が劣る傾向がみられた。
 3. テツダの作業速度はシリンダ−回転数が95r.p.mのときは2.5m/sec、162r.p.mのときは3m/sec程度が適当と考えられる。
 4. テツディング回数が増すにしたがって乾燥効果が大になるが、乾燥の進むに伴いその差は少となり、1日3回以上テツディングを行ってもほとんど効果が認められなかった。
 5. テツディング回数は、草量や牧草の生育度、天候などによって、テツディングによる効果が異なるので、気象条件に応じて加減しなければならないが、10a当り生草量2.5t程度の場合、1日2回(10〜11時と13〜14時)が効果的と考えられる。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
 テツディングによる移動拡散状態
シリンダ
回転数
(r.p.m)
シリンダ
進行角
(°)
作業
速度
(m/sec)
テツディングによる牧草の移動距離(cm) 拡散巾(cm)
側  方 進行方向
最大 最小 平均 最大 最小 平均 側  方 進行方向
95 14 1.25 138 60 102 +21
-7
+3
-2
+13 109 28
14 2.44 129 33 81 +81 +18 +52 110 63
14 4.08 111 23 56 +130 +24 +63 129 106
162 14 1.25 252 95 169 +38
-33
+3
-3
+41 123 71
14 2.44 203 81 140 +81 +8 +38 84 68
14 4.08 147 57 117 +107 +42 +72 84 65

 試験期間中の気象(1番草)
試験
期間
気温(℃) 湿度(%) 風速(m/sec) 日射量
cal/cm29〜17h
蒸発量
9mm〜17h
最高 最低 平均 最低 平均 最大 平均
6月14日

7月8日
18.5

24.0
15.0

21.6
17.1

23.2
43

79
51

85
2.8

4.2
2.2

3.1
327.0

532.2
0.8

5.6

 試験期間中の気象(2番草)
試験
期間
気温(℃) 湿度(%) 風速(m/sec) 日射量
cal/cm29〜17h
蒸発量
9mm〜17h
最高 最低 平均 最低 平均 最大 平均
8月15日

7月18日
21.8

25.7
17.6

22.5
20.5

24.6
48
〜72
59

76
3.1

5.6
2.0

4.1
154.2

448.8
1.5

4.8


 1番草
10a当り生草量
   2.250kg〜2.500kg
2番草
10a当り生草量
  1.570kg〜2.300kg
牧草水分(%) 牧草水分(%)
テツディング回数別牧草水分と乾減率

・ 研究上の問題点及び次年度試験項目
 ① 歯桿の周速度、前進速度、草量および草種と反転効果との実験的解析
 ② サイソレ−キとしての集草効果