【指導参考事項】
(7) 栽植密度に関する試験(参考事項)
北海道農試 作物第一部
中央農試   稲作部
上川農試
道南農試

・ 目 的
 稚苗移植栽培の安定化をはかるために適正な栽植密度を決定する。

・ 試験方法
場所名 年次 品種 播種量
(cc/箱)
育苗
日数
(葉数)
栽植様式
(cm×cm)
株数
(株/m2)
1株
本数
(本)
施肥量 供試水田
作物部 昭43 ほうりゅう 200 19 33.0×14.5 20 3 標 肥 北野 埴壌土
27 33.0×12.0 25
37 33.0×10.0 30
中央  41 うりゅう   (1.5葉) 33.0×14.5 20 3 標 肥
多 肥(5割増)
亜泥炭土
33.0×12.0 25 5
33.0×10.0 30 7
 42 うりゅう 400 20 30.0×11.1 25 3 標 肥 亜泥炭土

沖積土
ささほなみ 30.0×14.8 30 5
ふくゆき       
そらち      
上川  41 しおかり     33.0×12.0 25 1〜15 標 肥  
 42 しおかり 360 20 22.2×15.0 15〜30   標 肥
止葉期追肥(0.4)
 
41.6×12.0  
 43 しおかり 360 20 畦幅/株間
1〜4
15〜30 4 標 肥   
道南  42 南 栄       33.0×18.0 17 5      
      33.0×15.0 20 8
      33.0×12.0 25  

・ 試験成果の概要
 作物部   :   適苗使用では密度間の差異がなく、長期苗は苗質の劣化により穂数が減少
するので密植効果がある。しかし、若苗は下位分けつが有効化するために疎
植でも収量低下がみられなかった。
 中央 昭41:  栽植株数、1株本数のいずれの場合でも密植による収量増が認められた。
また施肥間の差異をみると多肥区は一般に減収の傾向を示すが、これは稔
実性の低下によるものと考えられる。
     昭42:   沖積土では密植区が多収の傾向を示したが、亜泥炭土では密植により過
繁茂になり、倒伏・いもち病の被害により各品種ともに減収した。
 上川 昭41:   植本数が多くなるにしたがい穂数は増加するが、一穂もみ殻が減少するた
め総もみ数が少なくなり減少する。したがって、植本数としては2〜5本が適当
と考えられる。
     昭42:   株数を多くして長方形植えにすると多収がえられることが明らかになった。
     昭43:   前年度と異なり畦幅:株間の関係がみられるが、25〜30株の有利性が確認された。
 道南    :   疎植区は穂数確保に不利なため減収を示したが、その他の栽植密度間では
大きな差異を示さなかった。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
場所名 年次 施肥 育苗日数 栽植様式
(cm×cm)
株数
(本)
一株
本数
(本)
出穂期
(月日)
m2当り
穂数
(本)
収量比
作物部 昭43 標肥 19 33.0×14.5 20 3 8.12 562 102
33.0×12.0 25  .11 629 100
(53.4)
33.0×10.0 30  .12 691 91
27 同上 20 3  .11 573 103
25  .10 606 101
30  .10 627 103
37 同上 20 3  .10 612 96
25  .9 677 94
30  .9 676 101
道 南 昭42          33.0×18.0 17 5  .4 443 88
33.0×15.0 20  .4 522 100
(52.2)
33.0×12.0 25  .3 439 98
    33.0×18.0 17 8  .3 460 85
33.0×15.0 20  .3 453 92
33.0×12.0 25  .3 539 99
中央 昭41 標肥   33.0×14.5 20 3  .17 429 93
5  .15 498 97
7  .15 510 101
33.0×12.0 25 3  .16 470 98
5  .15 510 100
(42.0)
7  .15 555 103
33.0×10.0 30 3  .15 480 100
5  .14 534 98
7  .14 576 105
多肥   33.0×14.5 20 3  .17 450 96
5  .16 492 96
7  .16 524 100
33.0×12.0 25 3  .16 478 95
5  .15 538 96
7  .15 523 100
33.0×10.0 30 3  .15 504 95
5  .14 561 98
7  .14 594 104

場所名 年次 土壌 品種名 栽植様式
(cm×cm)
株数
(株/m2)
一株
本数
(本)
出穂期
(月日)
m2当り
穂数
(本)
収量比
中央 昭42








うりゅう 30×11 25 3 8. 5 535 100
(59.5)
5  .4 580 100
30×15 30 3  .5 477 97
5  .3 582 95
ささほなみ 30×11 25 3  .4 575 97
5  .3 598 98
30×15 30 3  .3 597 97
5  .2 675 95
ふくゆき 30×11 25 3  .6 615 92
5  .5 660 90
30×15 30 3  .6 669 87
5  .5 636 85
そらち 30×11 25 3  .6 623 99
5  .5 730 101
30×15 30 3  .6 669 99
5  .5 753 94






うりゅう 30×11 25 3  .6 468 100
(47.3)
5  .4 535 104
30×15 30 3  .4 477 106
5  .2 564 108
ささほなみ 30×11 25 3  .5 548 106
5  .4 575 105
30×15 30 3  .4 546 111
5  .3  648 110
ふくゆき 30×11 25 3  .4 565 100
5  .2 668 100
30×15 30 3  .3 597 96
5  .2 636 100
そらち 30×11 25 3  .6 610 106
5  .4 683 110
30×15 30 3  .6 636 109
5  .5 738 111

場所名 年次 施肥 栽植様式
(畦幅×株間)
株数
(株/m2)
一株
本数
(本)
出穂期
(月日)
m2当り
穂数
(本)
収量比
上川 昭41 標肥 33.0×12.0 25 1 8.14 515 93
2  .12 571 101
5  .11 674 100
(48.1)
8  .10 732 88
5  .9 732 84
昭42 37.0×18.0 15    .2 484 94
 .2 489 105
27.8×18.0 20    .2 582 96
 .1 588 100
33.3×15.0 20    .2 526 97
 .2 556 107
41.6×12.0 20    .2 518 100
(54.9)
 .2 524 104
22.2×18.0 25    .1 623 102
 .1 598 104
26.6×15.0 25    .1 618 102
7.31 625 102
33.3×12.0 25   8. 1 610 106
 .2 607 110
18.5×18.0 30   7.31 621 95
 .30 624 99
22.2×15.0 30    .30 642 95
 .31 645 108
27.8×12.0 30   8. 1 702 113
 .1 648 110
37.0×9.0 30   7.31 627 113
8. 2 615 113
昭43 標肥 1 : 1 15 4 8. 3 530 100
2 : 1  .3 549 98
3 : 1  .3 508 95
4 : 1  .3 480 97
1 : 1 20 4  .3 601 108
2 : 1  .3 601 103
3 : 1  .3 585 96
4 : 1  .3 538 94
1 : 1 25 4  .2 629 100
2 : 1  .2 648 100
(57.9)
3 : 1  .2 622 99
4 : 1  .3 645 100
1 : 1 30 4  .1 686 98
2 : 1  .1 696 99
3 : 1  .1 678 97
4 : 1  .1 654 97

・普及上の注意事項
 栽植密度  25〜30株/m2
     初期生育のやや不良な場合には30株程度の密度が望ましい。