【指導参考事項】
昭和44年度 水稲の紙筒移植栽培に関する試験
(3) 適苗
中央農試 (稲作部)
上川 〃
十勝 〃
北見 〃

・ 目 的
 紙筒移植栽培に適合する苗の素質(育苗日数・苗令)を検討する。

・ 試験方法
場所名 年次 品種名 播種量 播種期
(月日)
移植期
(月日)
育苗日数 苗令 試験実施土
中 央 昭43 うりゆう 3粒/1筒 4.20 5.11 20 2.2 埴壌土
 .20 30 2.7
 .28 38 3.2
昭44 うりゆう 3粒/1筒 4.18 5.17 28 3.0
 .23 5.24 30 2.7
 .18  .24 37 4.0
 .31 44 4.3
6 .5 49 4.4
上 川 昭43 しおかり 3粒/1筒 4.25 5.30 25 3.1 壌土
5 .5 35 3.5
昭44 しおかり 3粒/1筒 4.18 5.23 20 2.3
4.25 27 2.8
5 .2 34 3.6
十 勝 昭43 かちほなみ 3粒/1筒 5 .2 5.22 20 2.2
 .27 25 2.6
北 見 昭43 はやゆき 3粒/1筒 4.30 5.20 20 1.9
 .25 25 2.2
 .20 30 2.4

・ 試験成果の概要
 中央:播種後37日目までは育苗日数を長くすると苗令は進むが37日を過ぎると苗令の進み方は少なくなる。5月中に植えた44日苗までは収量的に差がない。
 上川:育苗日数を真額すると苗令は進み出穂期は早まり、穂数は若干増加する傾向をみたが収量には差がなかった。
 十勝・北見:育苗日数を長くすると苗令は進み増収した。
  以上の結果を総合すると育苗日数は30日前後が苗素質・生育・収量の面から安定していると推察される。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
場所名 年次 品種名 移植期
(月日)
育苗日数 苗令 出穂期 m2当り穂数 a当り玄米重 収量比
中 央 昭43 うりゆう 5.11 20 2.2 8 .3 490 58.5 102
 .20 30 2.7  .2 520 58.1 100
 .28 38 3.2  .2 504 58.2 100
昭44 うりゆう 5.17 28 3.0 8.14 356
 .24 30 2.7  .11 446 47.6 100
 .24 37 4.0  .11 408 47.7 100
 .31 44 4.3  .7 428 46.9 99
6 .5 49 4.4  .10 456 43.2 91
上 川 昭43 しおかり 5.30 25 3.1 7.31 675 51.8 100
35 3.5  .30 575 48.0 93
昭44 しおかり 5.23 20 2.3 8 .4 540 58.2 101
27 2.8  .3 550 57.8 100
34 3.6  .2 560 57.3 99
十 勝 昭43 かちほなみ 5.22 20 2.2 8 .7 659 36.6 93
 .27 25 2.6  .7 686 39.5 100
北 見 昭43 はやゆき 5.20 20 1.9 8 .5 531 49.3 94
25 2.2  .4 464 51.7 98
30 2.4  .3 525 52.6 100

・普及上の注意事項
 育苗日数が30日以上にする場合は苗素質の低下をきたすので追肥を行うこと。