【指導参考事項】

水稲の紙筒移植栽培に関する試験 (4)　移植期 道立中央農試稲作部・道立上川農試 道立道南農試・道立十勝農試 (昭和44年度)

・　目　的
　紙筒移植栽培に於ける移植の適期を明確にする。

・　試験方法

場所名	年次	栽植密度 (株/m2)	育苗日数 (日)	品　種	移植期 (月日)
中　央	昭44	20	29	うりゆう そらち 新栄	5.17
			31		.24
			31		.31
			29		6 .5
上　川	昭43		20	しおかり	5.15
					.25
					6 .5
道　南	昭44	25	25	新　栄	5.10
			26		.20
			22		.30
十　勝	昭44	22.2	25	かちほなみ しおかり	5.21
					.28

・試験成果の概要
　○稲作部：本年の異常低温の影響により早植(5月17日)は欠株多発で、生育遅延し収量調査も不能であった。それ以外については各品種共に5月下旬植が出穂早く、収量も多かった。6月に入って移植した区は出穂遅延、収量及び品質の低下が目立った。
　○上川農試：本試験は機械で使用し実施したため、機械及び圃場の誤差が大きく、移植時期による差は判然とした。
　○道南農試：5月10日移植を除いて20日、30日植は天候不順により活着・初期生育不良で最後まで生育の回復ができず、登熟不良により減収した。
　○十勝農試：かちほなみは21日植、しおかりでは28日植が出穂早く、収量も多かったが、いずれにしてもその差は小さく、いずれも5月下旬にあるため、殆ど差がなかったものと思われる。

・　主要成果の具体的デ−タ−

場所	品種	移植期 (月日)	苗令	欠株 (%)	出穂期 (月日)	m2当 穂数	a当収量 (kg)
中央	うりゆう	5.17	3.0	20.8	8.14	356
		.24	2.7	0.3	.11	446	100
		.31	2.9	0.8	.9	446	102
		6 .5	3.0	0	.12	474	91
	そらち	5.17	3.2	11.7	8.17	432
		.24	3.4	0	.14	542	100
		.31	3.1	0.6	.14	600	101
		6 .5	2.9	0	.16	542	91
	新　栄	5.17	2.6	17.5	8.20	416
		.24	2.9	0	.17	452	100
		.31	3.0	0	.17	482	98
		6 .5	2.6	0	.21	456	81
上川	しおかり	5.15			8 .3	624	136
		.25			.1	418	100
		6 .5			.6	450	132
道南	新　栄	5.10	3.6	17.1	8.16	354	120
		.20	4.2	22.3	.17	409	100
		.30	3.1	0	.16	429	107
十勝	かちほなみ	5.21	2.7		7.31	517	100
		.28	2.7		8 .1	559	95
	しおかり	5.21	2.9		8 .6	455	100
		.28	2.3		.5	391	104

・　普及指導上の注意事項