【指導参考事項】
水稲の紙筒移植栽培に関する試験
(6) 施肥
中央農試稲作部
(昭和44年)

・ 目 的
 標準紙筒(1.5×1.5×3.0cm)を使用して水稲を育苗する場合の肥料の施用適濃度を決定しようとする。

・ 試験方法

 試験区別及び施肥用量(風乾土中 P.P.M)
区別 N P2O5 K2O
1 0 0 0
2 0 750 500
3 250 750 500
4 500 750 500
5 750 750 500
6 1000 750 500
  注):使用肥料名
     ・硫安
     ・過石
     ・硫加
 供試土壌:  稲作部苗床土壌
 育苗条件:  紙筒育苗の慣行法による他は普通冷床畑苗代育苗法に準ずる
 供試品種:  ひめほなみ
 試験規模・反復:  1区20列×20段=400ポット  2反復
 播種量:    2粒/ポット

・ 試験成果の概要
 乾物重は窒素レベルによる差が大きく、750P.P.M施用が最も高く、1.000P.P.Mではやや劣った。
 窒素要素含有率は750、1.000P.P.Mが高い。
 従って、紙筒施肥量としてNレベル750P.P.Mが最も適当と思われる。

・ 試験成果の具体的デ−タ−
 苗素質の調査
  施肥用量(P.P.M) 苗の乾物重
(g/100本)
要素含有率(乾物中%)
N P2O5 K2O N P2O5 K2O MgO
1 0 0 0 0.91 1.79 3.14 4.32 0.69
2 0 750 500 0.89 1.72 3.08 4.04 0.54
3 250 750 500 1.31 2.20 3.15 4.61 0.56
4 500 750 500 1.64 2.90 2.75 4.51 0.48
5 750 750 500 1.89 4.38 2.25 4.82 0.45
6 1.000 750 500 1.73 4.38 2.17 4.34 0.45