【指導参考事項】

水稲紙筒栽培に関する試験成績 −(5)　移植機の地域適応性に関する試験− 北見農試　稲作係 (昭和44年)

・　目　的
　紙筒移植機の地域適応性および機械植された紙筒苗の生育および収量に与える影響を検討する。

・　試験方法
　1.　1区面積および区制
　　　　　1区制　　手植え　　　1区35m²
　　　　　　　　　　　機械植え　 1区200m²
　2.　供試品種　　「はやゆき」
　3.　試験区別
　　　1)普通苗手植え
　　　2)ポット苗手植え
　　　3)ポット苗機械植え(B型)
　4.　耕種梗概
　　　1)育苗　　　普通苗：ビニ−ルハウス
　　　　　　　　　　 ポット苗：ビニ−ル障子令床
　　　2)播種日　　普通苗：4月21日　　ポット苗：4月27日
　　　3)移植日　　5月30日
　　　4)本田施肥量(kg/a)
　　　　　　N：0.5、P₂O₅：0.6、K₂O：0.4、堆肥：75.0

・　試験成果の概要
　1.　土坪条件が硬いこともあって、作業精度はあまりよくなかった。
　2.　移植能率は、普通苗手植えに比べて時間的に機械植えは約12%で済んだ。
　3.　生育面では、欠株の多い機会植えが最も遅かった。
　4.　収量においては、普通苗植え、ポット苗植え、ポット機械植えの順によかった。

・　主要成果の具体的デ−タ−
　1.　作業精度　(平均値　はやゆき)

項　　目		機械植　(%)	手植え　(%)
条　　間		13.3	11.9
条間係数		1.11	0.99
株　　間		34.8	30.0
株間係数		1.05	1.00
m2当植え付株数		17.9	27.8
植え付 姿勢	0〜30°	27	0
	30〜60°	28	0
	60〜90°	93	14.8
1株本数		3.5	3.0
全欠株率		17	0

　2.　さげ振り貫入深　　(9ヶ所、1ヶ所3回反復)
　　　　　0.5m　　1.22m
　　　　　1.0m　　2.71m

　3.　移植能率　(2行50m)
　　　　　普通苗手植え　　　38分45秒　　　　　　　　　　100
　　　　　ポット苗手植え　 　33分05秒　　　　　　　　　　　85
　　　　　ポット苗機械植え　　4分45秒(枕地は手植え)　12

　4.　生育・収量

品 種	区　別	成熟期			出穂期 (月日)	a当り 玄米重 (kg)	同左 比率 (%)	a当り 屑米重 (kg)
		稈長 (cm)	穂長 (cm)	穂数 (本)
は や ゆ き	普通苗手植え	8.2	17.7	15.8	8 .5	49.8	100	1.7
	ポット苗手植え	80.5	17.1	15.6	.10	37.1	74	2.8
	ポット苗機械植	81.4	18.6	26.6	.11	32.0	64	2.6
照 稔	普通苗手植え	68.1	18.3	19.4	8 .6	57.5	100	1.9
	ポット苗手植え	68.7	17.9	20.7	.13	46.3	81	8.5
	ポット苗機械植	64.7	18.3	23.0	.14	38.9	68	7.8