【指導参考事項】
場所名  北海道立中央農業試験場  農業機械部
課題名  コンバインの利用拡張に関する試験(再選別装置試験)
試験年次  40〜45年

・ 目 的
 コンバイン収穫は、不良な条件が多く、得られた穀粒の選別程度は必ずしも良い結果とはいえない。一般に夾雑物の混入は、乾燥施設の作業効率を低下さす原因となるので、再選別装置を有するコンバインについてその効果を検討する。

・ 試験方法
 1. 供試コンバイン  クボタ200RS型、再選別装置付
 2. 試験期日     圃場試験  44年10月13日〜15日
              室内試験      11月13日〜14日
 3. 試験区別
  (1)  圃場試験
刈取速度 扱胴回転数 チャフシ−プ
開     度
グレンシ−プ
開     度
再選別シ−プ
開     度
0.2m/s 600、800、1.000 1/3、2/3 1/3、2/3 1/3、1/2
0.4 〃  〃  〃   〃  〃  〃  〃  〃  〃  〃
0.6 〃  〃  〃   〃  〃  〃  〃  〃  〃  〃

  (2) 室内試験
材料 供給量ton/Hr 再選別ファン開度 再選別シ−プ開度
1 0.25、0.50、1.00 全閉(強) 半開(弱) 1/2、1/3
2  〃  〃  〃   〃     〃  〃  〃 
3  〃  〃  〃   〃     〃  〃  〃 

・ 試験結果
 1. 圃場試験
  1) 供給穀粒の2番還元量は、グレンシ−プの開閉程度によって差があり、開度1/3で、全穀粒の40〜50%が還元され、2/3では10%内外である。
  2) 供給量が一定で、グレンシ−プが同一開度であれば、扱胴回転数が増加すると2番還元量は増加する。然し、シ−プ開度が大きいとその差は小さい。
  3) 再選別装置の夾雑物除去率は、2番還元量の増加時に再選シ−プを閉じることによって90%を示し、開度1/2では80%の効果が示された。叉、2番還元量を減少する時は、再選シ−プ開閉効果は小さい。
  4) 再選別装置の除去効果と扱胴回転数の関係は小さい。
 2. 室内試験(再選別装置のみ)
  1) 再選別装置の夾雑物除去率は、シ−プの開閉度によって増減し風量を増した場合は、開度を小さく、減少の時は半開度程度に調製することによって選別効果を高めることができる。
  2) 穂切粒及び枝梗付着粒は、供給量との関係が大きく、風量及びシ−プの開度とは関係が小さい。
  3) 再選別装置に供給された全穀粒の90〜95%はタンク内え排出されるが、1番口及び機械内に停滞する穀粒は、5〜6%である。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
 (1) 圃場試験結果

                   再送シ−プ開度

 (2) 室内試験

            穀粒供給量ton/hr


          穀粒供給量ton/hr

・ 今後の問題点
 2番還元量と損傷粒、選別程度、穀粒内容の関連について検討する必要がある。