【指導参考事項】
場所名  北海道立中央農業試験場 農業機械部
課題名  大規模乾燥施設の利用技術確立−生籾の運搬に関する試験
試験年次  44年〜48年

・ 目 的
 施設の稼働効率を高めるためにはコンバインとの連携作業を上手に進めなければならない。各種の運搬法を調査し運搬体系作成上の参考資料とする。

・ 試験方法
 1. 主として丸型コンテナ・クレ−ン付トラック運搬方式を調査した。
 2. プラントと圃場間のトラック運行を追跡し、作業別の時間をストップウォッチで測定した。
 3. プラントの受け入れとの関連において張り込み能率を測定した。

・ 試験結果
 1. 従来の試験結果ではトレ−ラ運搬の場合は原則としてコンバイン1台にトレ−ラ2台が附随するが
  (1) 圃場の遠近でコンバインとの連携が乱れコンバインが休んだり、あるいはトレ−ラが長時間待機するなど作業効率がわるい。
  (2) 張り込みにトラブルが発生した場合などはコンバインは長時間作業を中止して待機しなけらばならない。
    など問題があった。
 2. 丸型コンテナ方式では
  (1) 圃場には予めコンテナが配置されているのでコンバインの籾のアンロ−デング作業が円滑に行われ、コンバインの作業効率が良くなる。
  (2) 丸型コンテナであるので、空コンテナの場所移動が容易であり、コンバインや搬送トラックに都合の良い場所に設置できる。
  (3) トラックの計画運行ができる。
 3. トレ−ラ運搬にみられたようなコンバインとの連携作業のもたつきからコンバイン作業効率を低下させるような例はみられなかった。表に現地待時間が記されていないのは連携が円滑にすすめられたことを示すものである。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
 生籾の運搬実態
トラック/項目 1号機 2号機 3号機
平均 割合% 平均 割合% 平均 割合%
プラント待機時間 10'50" 15.5 5'00" 10.5 4'00" 8.5
荷卸時間 8'30" 12.2 8'00" 17.1 7'55" 17.0
往復走行時間 25'30" 36.6 17'15" 36.2 17'38" 37.5
現地コンテナ卸・荷積時間 25'00" 35.7 17'15" 36.2 17'00" 37.0
1行程所要時間 69'50" 100.0 47'30" 100.0 46'33" 100.0
平均搬入コンテナ数 3.5 3.2 3.4
平均コンテナ当卸時間 2'26" 2'32" 2'21"
トラック当搬入籾重量 kg 1655 1639 1771
コンテナ当籾重量 473 512 527
プラント張り込み能率 kg/Hr 6078 6780 8007
  (トラック1台当りの生籾運搬量  1780kg/Hr  1日の搬入回数13)

  体積約   1.2m2
  生籾量約  500kg
         (最大600kg)
  クレ−ン付トラック

 三菱ジュピタ  3.5ton
 クレ−ン揚力  2.0ton

・ 今後の問題点
 搬入籾はクレ−ンで吊り出し反転して張り込み口にあける方法をとるのがこの場合張り込み溶量を大きくしないとトラックのプラント待機時間を多くし、運行効率を低下させる。張り込み量を大きくすべきか、プラントに反転装置を設置し、プラント側がこの作業を分担して対応すべき検討の余地がある。