【指導参考事項】
大型乾燥貯蔵施設の利用 (収穫乾燥体系に関する試験) 北海道立十勝農業試験場 農業機械科 (昭和41年〜) |
・ 目 的
昭和41年より3年間乾燥貯蔵(Drystore)の研究を行い、100トン型の利用について43年度指導参考事項として提出した。44年、この実績をもとに500トン型のドライストア−が川西、音更に設置されたので、この利用について調査し、参考に供する。
・ 試験方法
既設の大型乾燥施設に併置して、その利用とのかねあいから、
1) 受け入れ時の予備的乾燥
2) 乾燥行程中の半乾貯留として用いるが、次の事項について調査する。
1) 高水分穀物の乾燥
2) 中水分穀物の貯蔵
3) 既設乾燥施設との併用上の問題
・ 試験結果の概要
1) 500トン型の利用は100トン型のものの利用と内容的にほとんど変わらず、640空1500トンの受け入れを行った。
2) 乾燥効果としては、乾減率毎時0.2〜0.4%であった。2ヵ所ともバ−ナ−の能力は小さかった。
3) 中水分になってから貯蔵し、乾燥をも進める方法を行ったが、15〜20日間で毎日0.2%程度の乾減が進んだ。これは毎日1時間の通風を行ったもので貯蔵はじめの水分は、18〜23%で、貯蔵中なんの変質もみせなかった。
4) 本施設は、収穫から乾燥あるいは流通面まで考えて小麦の生産のシステム化を計るためものもである。しかし、現実は、1時間貯蔵の利用のみに終わった。
・ 主要成果の具体的デ−タ−
図1 ドライストア−の小麦入出量
図2 乾燥経過の1例
・ 問題点
施設の効果をたかめるため消流面の改善(食検法、バラ運搬、販売)を要する。