【指導参考事項】
代用乳の濃度が早期離乳子牛に与える影響
北海道立新得畜産試験場
(昭42年)

・　目　的
　代用乳の濃度による影響を子牛増体および健康面から、1)代用乳溶液を単独給与している場合、2)人工乳や乾草の給与を行っている場合について比較検討した。

・　試験方法
　1.　子牛6頭づつを割り当て、市販代用乳の濃度をDM10・15・20%溶液の3段階とした。
　2.　代用乳溶液の給与期間を1)17〜38日令、代用乳溶液の単独給与、2)38〜58日令、人工乳・乾草の自由給与とし、その後3)離乳後の育成を2週間行った。

・　試験成果の概要
　1.　子牛の早期離乳育成法における代用乳溶液の濃度は、DM15%になるよう約6倍量(重量比)の温湯に溶くのが、子牛の増体および健康面からみてのぞましい。
　2.　代用乳溶液の量は体重の10〜12%与えることがのぞましい。

・　主要成果の具体的デ−タ−
　子牛の増体、飼料および水分摂取量
　　(1)17〜37日令
　　 10%区
(T1)		 15%区
(T2)		 20%区
(T3)		 処理間の差
代用乳溶液(kg) 8.55 6.45 4.94 T1＞T2＞T3＞　　P＜0.01
(体重比　%) 17.5 13.3 10.3
DM摂取量(kg) 0.77 0.83 0.81 NS
水分　〃　(kg)　 7.97 5.90 5.75 T1＞T2、T1＞T3　P＜0.01
(飲料量) 0.18 0.28 1.61 T3＞T2、T3＞T1　P＜0.01
1日増体量(kg) 0.57 0.63 0.66 NS
飼料要求率 1.37 1.34 1.24 NS

　　(2)38〜58日令
　　 10%区
(T1)		 15%区
(T2)		 20%区
(T3)		 処理間の差
代用乳溶液(kg) 6.72 4.74 3.81 T1＞T2＞T3＞　　P＜0.01
(体重比　%) 11.1 7.7 6.1
DM摂取量(kg) 1.57 1.59 1.43 NS
水分　〃　(kg)　 7.47 6.05 6.05 T1＞T2、T1＞T3　P＜0.01
(飲料量) 1.22 1.77 2.74 T3＞T2、T3＞T1　P＜0.01
1日増体量(kg) 0.87 0.81 0.81 NS
飼料要求率 1.81 1.97 1.83 NS

　　(3)59〜72日令
　　 10%区
(T1)		 15%区
(T2)		 20%区
(T3)		 処理間の差
DM摂取量(kg) 2.58 2.34 2.17 NS
(人工乳) 1.76 1.72 1.04 T1＞T3、T2＞T3　P＜0.01
(乾草) 0.82 0.62 1.13 T3＞T2＜0.01、T3＞T1　P＜0.01
水分要求量(kg) 7.67 7.29 6.36 NS
(飲水量) 7.29 6.94 6.03 NS
1日増体量(kg) 0.90 0.80 0.44 T1＞T3、T2＞T3　P＜0.01
飼料要求率 2.82 2.88 7.37 T3＞T2、T3＞T1　P＜0.05

・　指導参考事項上の注意事項
　「試験成果の概要」と同じ