【指導参考事項】
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豚舎の改造による豚の生産性の増大例について 滝川畜産試験場 衛生科 (昭和42〜44年) |
・ 目 的
本道における大型豚舎は必ずしも寒地に適した構造ではなく、冬期間は低温、高温、結露など著しい環境の悪化を来している。本試験は、このような不良環境を改善した時の豚の生産性に及ぼす影響を明らかにし、今後の畜舎設計の指針を得る。
・ 試験方法
約1.200頭繁養の養豚場において、環境改善のための改善を行った豚舎と、これと同規模の未改造豚舎(いずれも肥育豚舎)において舎内微気象条件に関する調査、ならびに肥育試験を実施した。
・ 試験成果の概要
1) 強制換気ならびに断熱材の天井の設置による改造は、良好な換気状態を維持し、温度、湿度でそれぞれ3℃、8%程度遊離となり、且つ完全に結露を防ぐことができた。
2) 肥育試験の結果、改造豚舎の豚は未改造豚舎のそれより良好な発育を示した。
3) 環境の改善は肺炎の発生率を減少させる傾向にあった。
・ 主要成果の具体的デ−タ−
舎内微気象
| 豚 舎 | 平均舎内温度 | 平均舎内湿度 | 平均舎内 炭酸ガス濃度 |
結露の有無 |
| 改造豚舎 | 8.5 | 83 | 0.259 | 無 |
| 未改造豚舎 | 4.9 | 91 | 0.315 | 有 |
| 豚 舎 | 飼料要求率 | 肺炎発生率 | ||||
| Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | |
| 改造豚舎 | 3.53 | 3.39 | 3.30 | 4/10 | 1/8 | 0/5 |
| 未改造豚舎① | 3.54 | 3.45 | 3.50 | 7/10 | 6/8 | 0/5 |
| 未改造豚舎② | 3.67 | 3/5 | ||||
・ 奨励又は指導参考事項上の注意
1) 施設費が高価であることから、改造は経営規模に応じ検討されなければならない。
2) 断熱材の使用に当たっては、その防湿に充分注意が払われなければならない。
3) 換気扇の大きさ、台数ならびに入気口の断面積などは畜舎の規模に応じて計算されなければならない。
4) 肥育形態、立地条件によっては、給温も合わせて検討されなけらばならない。