【指導参考事項】

アルファルファ品種およびサラナックに関する試験成績 天北農試草地科 (昭42〜44年)

・　目　的
　新たに導入したアルファルファ品種の天北地帯における栽培適否を明らかにする。

・　試験方法

(1)　試験地　　　　　　　　当場第104圃場 　(2)　供試材料　　アルファルファ　24品種 　(3)　1区面積および区制　　1区10m2(4m×2.2m)、乱塊法3反復。 　(4)　播　種　　昭和42.5.27条播(畦巾50cm)、播種量900g/10a根粒菌種 　(5)　施肥量(kg/10a)　　1年目基肥N4.5、P2O518、K2O7.5、炭カル50、堆肥2.000kg。 　　　　　　　　　　　　　　　　追肥1番刈り後P2O56、K2O7.5。 　　　　　2〜3年目追肥　　P2O512、K2O15、(早春3/6、1番刈り後2/6、2番刈り後1/6の分施) 　(6)　刈　取　　1年目2回　　8月14日　　10月　6日 　　　　　　　　　　2年目3回　　7月 3日　　　8月　6日　　 9月25日 　　　　　　　　　　3年目3回　　7月17日　　　8月26日　　10月13日

・　試験成果の概要
　(1)　アルファ、サラナックは2〜3年目および3ヶ年合計の生草、乾物、粗蛋白質収量ともデュプュイよりおおむね10%高かった。しかし、デュプュイとの間に有意差はなかった。
　(2)　両品種は草丈および、茎長30cmあたりの茎数においてもデュプュイより優れていた。
　(3)　春の萠芽、1番草の開花始、葉部割合などは両品種ともデュプュイとほとんど同じであった。
　(4)　3年目萠芽期における欠株は両品種とも、デュプュイなどともに最も少なかった。
　(5)　両品種とも、病害は供試品種中最も少なく、耐病性ではデュプュイより若干優れる傾向がみられた。
　(6)　特性および収量

項　　目/ 区　　別	萠芽期		1番草の 開花始		2.3年目平均		病　害		3ヶ年合計		2.3年目合計
	Ⅱ	Ⅲ	Ⅱ	Ⅲ	年間 伸長量	茎数	Ⅱ	Ⅲ	乾物収量 (kg/10a)	同左 指数	葉部収量 (kg/10a)	同左 指数
1.　African	4.24	4.26	7 .2	7.16	156	87	1.7	2.5	1021**	60	1773	51
2.　Alfa	4.20	4.27	6.28	7.15	191	107	0.7	1.3	1861	110	3879	111
3.　Apex	4.23	4.25	6.27	7.14	189	106	1.3	1.8	1823	108	3536	101
4.　Beaver	4.24	4.24	6.28	7.16	142	79	1.6	2.3	1229**	73	3242	67
5.　Calver	4.21	〃	〃	〃	150	84	1.2	2.0	1361*	80	2808	80
6.　Cardinal	4.23	4.28	〃	7.14	178	100	1.2	1.6	1620	96	3442	99
7.　Cayuga	4.20	4.25	7 .1	7.16	164	92	1.1	2.1	1592	94	3091	88
8.　Cherokee	4.24	〃	6.29	7.15	170	95	0.8	1.5	1731	102	3520	101
9.　Chilean21-5	4.25	4.24	7 .2	7.16	165	93	1.4	2.0	1118**	66	2057	59
10.　Cody	4.22	〃	7 .1	〃	168	94	1.1	1.7	1520	90	3273	94
11.　Deutsch　Ⅰ	〃	4.23	7 .4	〃	180	101	2.0	2.7	1250**	74	2061	59
12.　Dupuits	〃	4.25	6.29	〃	179	100	1.3	1.7	1694	100	3493	100
13.　Eynsford	4.23	4.26	6.27	7.15	189	106	1.1	1.5	1810	107	3302	95
14.　Gamma	〃	4.25	〃	7.14	178	100	1.0	1.8	1678	98	3409	98
15.　Glacier	〃	4.24	〃	7.13	183	103	1.2	1.9	1679	99	3432	98
16.　Haymor	4.22	4.23	6.28	7.14	171	96	1.5	2.0	1466	87	2995	86
17.　Narrgansett	〃	〃	〃	7.15	167	93	1.3	1.7	1591	94	3153	90
18.　Omega	4.20	4.27	6.27	〃	186	104	1.1	1.6	1728	100	3423	98
19.　Rhizoma	4.23	4.24	6.29	7.14	136	76	1.4	2.3	1000**	59	1996	57
20.　Saranac	4.20	4.25	6.27	7.15	186	104	1.0	1.5	1827	108	3806	109
21.　Sonora	4.27	4.27	7 .4	7.17	147	82	1.6	2.5	805**	48	1460	42
22.　Tuna	4.21	4.25	6.28	7.14	162	91	1.3	2.3	1464	86	2946	84
23.　Williamsburg	4.22	4.26	7 .2	7.16	179	100	1.2	1.6	1639	97	3224	92
24.　919-Brand	〃	4.23	6.30	7.15	168	94	1.4	1.3	1427	84	2911	83

　　適用　1.　年間伸長量、刈り取り時草丈の年間合計(cm)。
　　　　　　2.　茎数、各刈り取り時畦長30cm当たり茎数の平均値(本)。
　　　　　　3.　病害は点数表示法(0：無、5：甚)で各刈り取り時に調査した平均値。
　　　　　　4.　葉部収量は生草収量に葉部割合を乗じて求めたもの。

・奨励または指導参考事項上の注意事項
　アルファおとびサラナックはともにFlamande系の材料から育成されたデュプュイと同系統の品種であり、公称の品種特性も、また試験結果からみた特性もデュプュイに類似しているから栽培に当たってもデュプュイと同様に考えて良い。