コンバインによるえん麦の収穫に関する試験 昭和43〜45年度 北海道農業試験場畑作部 機械化栽培研究室 |
・ 目 的
秋播小麦に比較して、登熟性や脱粒性を異にするえん麦についてコンバイン収穫を行い、高水分子実の脱粒性能などについての作業精度を明らかにする。
・ 試験方法
供試機:JD45コンバイン(12フィ−ト)
供試品種:えん麦「オホ−ツク」強稈性品種
調査方法:44年 時期 作業速度、刈り高、条播と散播、PUと直刈
45年 〃 〃 条播
・ 試験結果の概要
1) コンバインによるえん麦の直刈り方式で収穫法を再検討するため昭和44年度と昭和45年度に試験を実施した。
2) 秋播小麦は子実含水率が30%以下まで低下しなければ、未脱損失割合が多く、コンバイン収穫が困難であるのに対し、えん麦は45〜48%の高含水率でも十分ダイレクトカットが可能であった。
3) 子実含水率が20%前後になると他の早刈り区に比較してコンバイン収穫による飛散損失割合が多くなるが、その割合は5%以下である。
4) 子実の破砕割合は子実含水率が低下するに従って減少する傾向にあり、この最大値は2.9%であった。
5) 頭部損失割合と莢雑物の混入の割合は刈り取り時期や作業速度に影響されない。
6) 作業速度と未脱飛散損失割合の間には順相関の関係が認められ、高い優位性を示した。また、作業速度は子実含水率36.0%〜48.0%で0.56m/sec、30〜35%程度で0.70m/secが適当と思われた。
7) えん麦は秋播小麦に比較して子実含水率の推移と登熟程度が異なり、水分の低下は直線的でかつその期間は短い。また千粒重の調査では子実水分33%のとき最大に達するが、その収穫適期は前3〜4日程度である。
8) えん麦茎稈の水分低下を見ると、秋播小麦に比し稍緩慢であるがコンバイン収穫には大きな影響を与えない。
・ 主要成果の具体的データ
未脱飛散破砕および頭部の損失と莢雑物の割合
・ 指導上の注意事項
収穫物の乾燥方法と品質