【指導参考事項】
草地の晩秋利用時期と翌春の収量
根釧農試:天北農試土:北農試

・ 目 的
 晩秋における草地の利用と翌春の牧草生産との関連性を検討する。

・ 成績の概要
 1. 10月上旬を中心とする時期の利用は、翌春の収量を最も低下させた。この現象は、一般に草令、施肥管理のいかんを問わず認められたが、その度合いは草種によって異なり、メドウフェスク>オ−チャ−ドグラス>チモシ−≒ケンタッキ−グル−プの順であった。なお、マメ科では回復が早いので、収量に対する影響は小さかった。
 2. この原因は、牧草体内における貯蔵養分(とくにTAC)の消長に関連するとみられ、当時期に利用すると、貯蔵養分の再蓄積が十分に行われないまま越冬に移行するため思われた。

・ 指導参考上の注意事項
 1. 10月上旬の利用は、この事実を配慮しながら、秋から春にかけて草地利用体系のなかで処理されることが望ましいと考える。
 2. 道東のように寡雪・凍結地帯においては、冬枯れとあいまって春の収量低下が助長されるので、この時期にはチモシ−、ケンタッキ−ブル−など影響の小さい草種の優占草地を利用すべきである。