【指導参考事項】
機械利用技術の組立に関する試験
(水稲収穫機「自脱型コンバイン」性能試験
(46〜48年)
中央 機械部

・ 目 的
 経営規模10〜30haにおいて収穫機を導入し、適性負担面積と経済性について検討を加えると共に、稼働期間の作業精度と作業能率について実測し導入上の基礎資料とする。

・ 提出理由
 国産の小型コンバイン、乗用前方刈自脱型コンバインが開発され導入の傾向があるので、その性能を明らかにし、問題点を摘出したので指導上の参考とする。

・ 試験方法
 1. 試験期日  昭和46年10月8日〜21日
 2. 試験場所  空知郡栗沢町砺波
 3. 供試機種  普通型コンバイン、刈巾1.8m      1台
           乗用自脱型コンバイン(2条刈、3条刈)2台
 4. 供試面積  34.0ha
 5. 対象品種  渡育150、ほうりゅう、ゆうなみ、ゆうから
 6. 測定方法  OECDテストコ−ドによる
           (1) 作業精度試験
           (2) 作業性能試験  


・ 試験結果
 1. 普通型コンバイン
    穀粒水分28%、わら水分75%と水分条件は高かったが、期間後半には、夫々21.7%、70%と低下した。精度試験において、総流量2.5〜8.5ton/hrの穀粒総損失は5〜9%であった。 (図1)損傷粒は1〜3%と少なかった。 期間中の作業能率は14〜21a/hrで、作業効率平均65%、負担面積は稼働期間15日で19haであった。
 2. 自脱型コンバイン
    3条刈  作業速度0.5〜0.7m/s(0.6〜0.9t/hr)の範囲で総損失は0.63〜256%であった。期間中の平均作業能率は8.8a/hrで作業効率70%、負担面積8haであった。
    2条刈  作業速度0.3〜0.5m/s(0.4〜0.7t/hr)における総損失は、0.8〜1.8%であった。期間中の平均作業能率は5.5a/hr、作業効率65%、負担面積5haであった。
 3. 刈取作業、その他に要する人員は、普通型2人、3条刈3人、2条刈2人であった。

・ 主要成果の具体的デ−タ
 図1
普通型コンバイン1.8m
          (M180R型)
 籾水分27.7%
 わら水分75%
              供給総流量 t/hr



            穀粒流量 t/hr





・ 普及上の問題点
 自脱型コンバインは遅穂(稈長50cm以下)において末脱粒の発生が多くなるので短稈種に対すては注意する。