【指導参考事項】
りんごに対するアミノサイド水溶剤の落果防止効果に関する試験 道立中央農試 園芸部果樹科 北農試作二部 園芸第1研究室 |
・ 目 的
りんご旭の収穫前落果防止のためアミノザイト水溶剤の効果を検討し、実用化の資に供する。
・ 試験方法
供試薬剤名 アミノザイド水溶剤(ビーナイン水溶剤80)
成分、形状 N−(ジメチルアミノ)−サクシンアミド、80%、水溶剤
試験場所 | 中央農試果樹園 | 北農試果樹園 |
供試品種 樹 令 |
旭/MM111、9年生 | 旭/みつば、20年生 |
試験規模 | 1区 2樹 | 1区 2樹 |
散布時期 濃度量 |
8月24日(収穫前40日) 9月4日(収穫前30日) 成分で1000ppm および500ppm 5l/樹 添着剤無添加 |
8月17日(収穫前50日) 8月26日(収穫前40日) 成分で1000ppm 20l/樹 グラミンS1万倍加用 |
散布方法 | 動力噴霧機 | 手動噴霧機 |
落果調査期間 | 9月18日〜10月5日 | 8月17日〜10月11日 |
収穫日 | 10月5日 | 10月11日 |
・ 主要成果の具体的データ
1、収穫前落果調査(落果率)
試験区 | 散布濃度ppm | 中央農試 | 北 農 試 | ||||
台風時 9月17日 |
9月18日〜 10月5日 |
8月18日〜 9月18日 |
9月19日〜30日 | 10月1日〜11日 | 期間中累計 | ||
無処理 | 0 | 49.8 | 16.0 | 1.6 | 0.6 | 21.9 | 23.6 |
収穫前50日散布 | 1000 | − | − | 2.0 | 0.7 | 2.5 | 5.1 |
〃 40日 〃 | 500 | 40.8 | 5.1 | − | − | − | − |
〃 〃 〃 | 1000 | 26.5 | 1.9 | 3.9 | 0.3 | 1.3 | 5.4 |
〃 30日 〃 | 500 | 36.7 | 10.2 | − | − | − | − |
〃 〃 〃 | 1000 | 36.5 | 3.6 | − | − | − | − |
試験区 | 散布濃度ppm | 中央農試 | 北農試 | ||||
硬度 | 糖度 | 酸度 | 硬度 | 糖度 | 酸度 | ||
無処理 | 0 | 11.6 | 11.7 | 0.82 | 18.9 | 12.5 | 0.89 |
収穫前50日散布 | 1000 | − | − | − | 22.5 | 12.5 | 1.03 |
〃 40日 〃 | 500 | 12.6 | 11.1 | 0.80 | − | − | − |
〃 〃 〃 | 1000 | 13.4 | 11.5 | 0.84 | 21.3 | 12.2 | 0.91 |
〃 30日 〃 | 500 | 12.1 | 11.3 | 0.83 | − | − | − |
〃 〃 〃 | 1000 | 12.3 | 11.6 | 0.84 | − | − | − |
・ 指導普及上の注意事項
1、収穫前40日、1000ppmの散布とし、適用品種は旭、適用地帯は上川地方以南とする。
2、散布は果実をめがけて行い、1年1回散布とし、樹勢の弱っている樹への使用はさける。
3、銅製剤との混用、本剤散布の前後の銅製剤散布は、薬害のおそれがある。銅製剤散布前の使用は3日前までに終えること。また銅製剤散布後の本剤散布は少なくとも30日以上間をあけること。
4、銅製の器具、銅製剤を使用した器具は使用しないこと。
5、普通物であるが取扱いは一般農薬取扱いの諸注意をを守ること。