【指導参考事項】
1 課題の分類 2 課題名 草地低収化の実態とその要因 (1)火山灰草地 (2)鉱質重粘土草地 3 期 間 昭和45〜47年 4 担 当 根釧・天北農試 5 予算区分 6 協力分担 なし |
7 目 的
根釧火山性土壌と鉱質土壌を対照的に草地低収化の実態とその要因について土壌肥料的観点より検討する。
8 試験方法 ①土壌×農家×草地の種類×試験区
土壌両地方の代表的土壌について
農家×草地の種類:同一農家内に多収草地と低収草地を選定
試験区:3要素試験×3要素用量試験
②調査項目 収量、植生、牧草及び土壌分析、聞取り調査など
9 成果の概要
(1) 草地の低収化をもたらすもの
ア 古い草地ほど管理を粗略化する考え方が農民の底流にあった。しかし天北地方では良好な管理で収量低下を軽減させる可能性が強いが、根釧地方では8年目頃を境に収量の顕著な低下がみられる場合が多い。これが両地域の特質のようである。
イ 表土の搬出されるような造成法、とくに土壌型を無視した工法と寡量の土改資材の組合せがnegativeに作用するほど低収化が著しい。
ウ 肥培管理が低レベルでさらに利用管理も拙劣な場合は草地の悪化を招く。
(2) 低収化した草地の実態
ア 土壌
根釧地域:低収草地ほどpH、NO3・N、N/5Hcl−P2O5 なとが劣り、T−Nが高まる傾向にあった。またK2O含量は収量と相関を有するが極めて低収 化するとむしろ上昇した。
天北地域:T−P2O5、PH(CaO)が低いようであり、とりわけP2O5は顕 著であった。また固相率が増大し、気相率、孔隙率が低下した。
イ 植生
雑草が侵入し、また施肥に鈍感な草生に変移することが多い、とりわけ根釧地域は低収化傾向と雑草率は平行的であった。
(3) 施肥による草生回復の可能性
ア 草生の回復にはtime legがあり、その様相は草地の実態によって差があった。
イ この傾向は根釧地域:植生と化学性、天北地域:植生と理化学性が劣悪な草地ほどlegが長いと考えられる。
10 普及指導上の注意事項
草地の更新基準設定に関する試験のとおり