【指導参考事項】
アルフアルファの栽培、収穫および利用に関する試験
北農試 機械化第1研究室
       家畜第4研究室
       草地第3研究室

・ 目 的
 アルフアルファの実用規模の栽培、利用における①アルフアルファの優良スタンド  の確保②サイレージの機械化調製とその飼料特性③乾草調製における落葉防止を明ら  かにするためこの試験をおこなった。

・ 試験方法
年次別試験計画
試験項目 昭和44年 昭和45年 昭和46年 昭和47年
アルフアルファ優良スタンドの
確保のための解析実証
(草地第3研究室)
単播牧草 オーチャードとの混播牧草 収量調査 収量調査
サイレージの機械化調製
(機械化第1研究室)
高水分サイレージ 予乾サイレージ予乾サイレージ
サイレージの飼料特性
(家畜第4研究室)
2番草の調査 1番草の調査 刈取時期、添加物
乾草調製と落葉防止
(機械化第1研究室)
基礎調査 単播草の調査 混播草の調査

・ 試験成果の概要
 1. アルフアルファ造成初年度に優良スタンドを確保するためには、従来の若刈りの掃除刈りは望ましくなく、雑草の結実直前に行う方がよかった。
 2. 優良スタンドの確保のためには、Nの施用量を推きゆう肥のみに抑え、石炭施用を十分行うと、かなり雑草の抑制効果が期待でき除草剤プリマージの散布は補助手段として用いる方がよかった。
 3. 予乾サイレージのに望ましい機械化体系としてロータリモア⇒ヘイコンデショナ⇒斜円筒型デツタ⇒ピツクアツブ付シリンダ型ハーベスタが望ましい。
 4. 高水分ダイレクトサイレージ調製は細断、密封、排汁の3原則がみたされるような対策をとることが大切である。
 5. アルフアルファサイレージはイネ科牧草サイレージと比較してかなり高蛋白ではあるが、上記の原則を守るとDM摂取量体重の1.8%位の良好なサイレージとなる。しかし予乾、蟻酸添加サイレージとすると更に良好なサイレージとなり、DM摂取量も2.2〜2.3%向上する。高水分アルフアルファサイレージの場合はDM摂取量の多い方が必乳量の反応も大きかった。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
 図1. 除草処理とアルファルファ個体密度
     (2年目晩秋)( /m2)


 図2. 炭カル施肥量とアルファルファ重(kg/a)
     (混播3年目合計)


 図3. アルファルファほ場乾草作業体系(案)


 表1、アルフアルファサイレージの品質、栄養価および乳牛の採食性
サイレージ別 水分 発酵成分 栄養価(DM) DM摂取量
PH 総酸 VFA/総酸 VBN/TN DCP TDN kg/日 体重比
高水分サイレージ 81.5 4.8 41.3 45.8 17.2 12.9 47.6 10.4 1.8
予乾      〃 61.4 4.1 72.1 13 8.8 15.2 55.9 13.1 2.3
着畜初期高水分サイレージ 82.3 5.2 35.6 59.6 26 12.4 52.9 12.1 1.9
開花初期   〃 79.7 4.5 38 39.4 10.8 11.1 50.5 13.5 2.2
無添加高水分サイレージ 81.9 5.1 35.4 48 17.6 11.3 50.2 10.7 1.8
蟻酸添加   〃 77.7 3.9 37.4 23.7 5.2 11 50.9 15.4 2.5

・ 普及指導上の注意事項
 1. アルフアルファ牧草の導入を計る農家の参考として活用を計る。
 2. アルフアルファの乾草をほ場乾燥だけで得るには3割程度の落葉はまぬがれない。人工乾燥方式に移すには水分30〜40%から行うが、省力的機械化体系は今後の検討による。3、アルフアルファ牧草の高カルシウム、ビタミン、蛋白のアミノ酸構成などの微量要素の効果は更に今後の検討が必要である。