【指導参考事項】
・ 課題名  水稲育苗施設に関する試験
        2−出芽器に関する調査−

・ 試験方法
  供試器 方式、明所方式(月搬型)
種類、SE224型(空気加温)
    SSE480型(温湯加温)
  SE224 SSE480
収容箱数 368 480
大きさ 巾277、奥行139、高さ159cm(SSE高さ176cm)
電源 三相1.7kw 三相2.0kw
  試験の条件
  SE224 SSE480
供試指数 352 208、240
箱の種類 木製 木製、プラスチック
土詰操作 プラント セパレートタイプ
暑内温度 32℃  32℃
加温方法


・ 試験結果
 SE224 器内温度33℃にセットした中央部の箱内床温は、30℃の到達時間が、中段19hr、上段27hr、下段29hrで、中段の空間位置が温度上昇が早く、下段は均熱板及び蒸発皿により上昇が遅れた。器内温度と床温の差は、下段最大14℃、中段最大6℃であった。シート側では、上下段の差は少なく、中段13 ℃、中段9℃であった。通電時間は31.6hr、積算電力量604KWHであった。(出芽時間を48hrとして)1箱当り電力量は0.0172KWHである。
SSE480 水中にヒーターをセットした湯温による湿り空気(97%)で加温され、液温は50℃で定常温度、床温は上下段の差は小さく、プラスチック製は、30℃に29〜34hr、木製が27〜29hrで、器内との温度差は最大5℃と、床温の温度上昇と器内温との差が小さく上昇する傾向がある。
 積算電力量は90.15KWH、通電時間48時間、出芽時間59時間、毎時電力消費量1.89KWH/hr、箱当り電力消費量0.02KWHであった。
芽長調査 SE224、垂直位置での芽長は、下段が長く上段が短い、水平位置では中央部が長かった。
SSE480 下段がやや長いが中、上段の差は小さい。水平位置では差は殆んどない。

・ 主要成果の具体的データ
 SSE480(温湯加温)


 SE224(空気加温)


 芽長調査の分散分析
  SS df ms F  
SE
2
2
4
垂直位置 16.18 5 3.236 7.18** F(0.01=4.56)
水平位置 10.52 3 3.506 7.78** F(0.01=5.42)
誤差 6.76 15 0.451     
SSE
4
8
0
垂直位置 26.9 5 5.38 2.2 F(0.05=2.90)
水平位置 17.55 3 5.85 2.39 F(0.05=3.29)
誤差 36.69 15 2.45    

・ 普及上の問題点
 出芽器の設置場所は、保温された温度変化の少ない場所が望ましい。積み重ね方式では、上部が高温となり易いので、上段2段位に床土のみを入れた箱をセットすると有効である。空気式出芽器は、上下の温度差を少なくする手段として、蒸発皿の面積を大きくすることも必要である。
 出芽の終了時間は50時間以内で、芽長5mmを目標とする。