【指導参考事項】
1. 課題の分類  栽培・水稲
2. 研究課題名  水稲機械移植用簡易育苗に関する試験 (3)移植時期
3. 期 間  (昭48)
4. 担 当  中央農試稲作部  岩崎 徹夫
5. 予算区分
6. 協力分担

7. 目 的
 簡易育苗の苗質と移植適期について検討する。

8. 試験研究方法
(1) 移植期  : 5月20日、5月25日、5月30日、6月4日
(2) 播種量  : 150cc、200cc、250cc/マット当り
(3) 育苗日数: 30日(6月4日の植の1部は35日)
(4) 供試品種: ゆうなみ、ほうりゆう
(5) 栽植密度: 25株、4本植(比較・慣行苗20株3本・稚苗25株5本

9.結果の概要・要約
 (1) 本年は全体的には好天候に恵まれたが、移植当時の天候で5月24日降霜と6月上旬の低温により、5月20日植と5月30日植に葉先枯が見られその程度は播種量が多く、草丈の長い苗の被害が大きかった。
 (2) 出穂期は播種量の多少により各時期、品種とも僅かに差が認められるが、150cc/マット当りについては慣行苗に比べ同程度がやや早まる傾向であるが、200ccは同程度〜1.5日遅れ、250ccでは2日前後の遅れを示す。
 時期別では5月20日と25日には大差はないが、5月30日では遅延日数が大きくなる傾向である。
 (3) 穂数は株当たり2本前後であるが、5月25日植のゆうなみがやや多く、24本前後である。玄米収量は本年の天候にもよるが移植時期の差は認められなかった。しかし播種量との関係では薄まき程多収傾向を示した。

10. 主要成果の具体的数字<生育収量(昭48)
移植
月日




育苗
日数
ゆうなみ ほうりゆう
出穂期
(月日)
穂数 精玄
米重
収量
割合
屑米
歩合
出穂期
(月日)
穂数 精玄
米重
収量
割合
屑米
歩合
5.20 ポリ 150 30 8 4.0 20 58.5 114 2.48 8 4.5 21 58.5 109 3.33
200 4.5 21 54.9 108 2.63 5.5 20 55.6 104 3.38
250 5.5 19 53.8 106 2.75 6.5 20 53.2 99 3.30
PCP 200 5.0 18 52.6 104 3.03 6.5 19 53.4 100 3.30
350 20 6.5 24 54.7 108 2.58 7.5 22 55.9 105 3.20
慣行    30 5.0 19 50.8 100 3.88 6.0 21 53.5 100 3.00
5.25 ポリ 150 30 4.5 22 57.2 99 3.35 6.0 22 57.2 95 3.88
200 5.0 24 58.0 101 4.03 6.5 21 54.0 89 5.48
250 6.0 23 55.0 96 4.05 7.0 21 55.0 91 1.38
PCP 200 5.5 25 56.2 98 3.43 7.0 21 55.5 92 4.90
慣行   35 5.0 24 57.5 100 4.13 6.0 22 60.5 100 4.33
5.30 ポリ 150 30 7.0 22 57.0 110 3.63 7.5 21 57.8 98 3.33
200 7.5 21 56.8 110 3.35 8.0 23 56.9 97 3.50
250 8.0 21 56.4 109 3.35 9.0 19 54.0 92 2.33
PCP 200 7.0 20 55.2 107 2.55 9.0 20 59.3 101 2.78
慣行   40 6.0 25 51.8 100 2.93 7.5 23 58.8 100 2.50
6.4 PCP 200 30 7.5 23 56.2 108 2.05 8.0 23 62.4 106 2.20
  35 8.0 23 60.4 117 3.78 8.5 22 59.7 102 3.65

11. 今後の問題点

12. 次年度の計画(成果の取扱い)
 移植の適期は品種は中生の中までで、5月25日までと考えられるが、中生の早まで又は播種量を少なくした場合は5月末までである。