ハイブッシュブル−ベリ−栽培土壌試験

【指導参考事項】

ハイブッシュブル−ベリ−栽培土壌試験
・　課題の分類
・　試験期間　　昭和38〜48年　　　道立中央農試園芸部果樹科
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渡辺　久昭、松井　文雄、峰岸　恒弥、細貝　節夫
・　予算区分　　道担

・　目　的
　ブル−ベリ−栽培に当り、培地の種類がブル−ベリ−樹の生育、収量、果実品質に及ぼす影響を明らかにする。
・　試験方法

供試品種　コンコ−ド、ジュ−ン、ル−ベル

供試土壌　腐植に富む埴壌土(崩積土)

処理区　昭和41年春、次の区を設定し、供試樹(７年生)を植えた。
　ピ−ト区　巾40cm、深さ30cmの溝にピ−トモスをつめて供試樹を植えた。
　畑土区　ほ場に直接供試樹を植え、ピ−トモスで巾40cm、厚さ3cmのマルチを行った。　

管　　理　1樹当り施肥量を41年はN,P各5g、K8g、42年および43年はN,P,K各10g、44年は各20g、45年は各30g、
　46年、47年、48年は各20gとした。
　薬剤散布は特別にはせず、りんごの薬剤散布の際についでに行った。(年数回)

調　　査　生育生態、収量、果実糖度、一果重などを調査した。

・　結果の要約
　①　発芽期および開花期については、区間差は殆ど認められず、着色期は畑土区でやや早まる傾向が認められた。
　②　樹体の大きさはピ−ト区で優った。
　③　収量はピ−ト区で優った(ル−ベル、コンコ−ドは絶対量が少なく、考察不能)。
　④　糖度は畑土区で高い傾向が認められた。これは畑土区で供試樹の樹勢が著しく低下しており、その影響であろう(コンコ−ドは年により区間の逆転が著しく、考察不能)。
　⑤　一果重については、ジュ−ンでピ−ト区がやや優るようであったが、他の2品種では差が認められなかった。
　⑥　以上のことにより、ブル−ベリ−を果実採収の目的で、泥炭土壌以外の土壌で栽培するのは、樹体生育および収量が劣るため、適当ではない。

・　今後の問題点
　ブル−ベリの栽培土壌については、より緻密な試験が望まれる。

・　成果の取扱い
　①　本試験は果樹として栽培する場合のみ適用されるべきで、観賞木、過程果樹としての植栽には適用されない。

・　主要成果の具体的数字
　第1表　生育生態(月日)

品　種区発芽期開花期着色期

平均最早最晩平均最早最晩平均最早最晩

ジュ−ンピ−ト 4.30 4.24 5.4 5.20 5.12 5.25 7.25 7.25 8.1

畑　土 4.30 4.26 5.3 5.20 5.12 5.26 7.24 7.24 7.30

ル−ベルピ−ト 5.3 4.25 5.6 5.31 5.22 6.10 8.2 8.2 8.13

畑　土 5.3 4.26 5.6 6.2 5.29 6.11 7.31 7.31 8.2

コンコ−ドピ−ト 5.3 4.25 5.6 6.3 5.25 6.13 8.6 7.27 8.14

畑　土 5.3 4.26 5.6 6.2 5.28 6.13 7.29 7.25 8.2

　　注)　発芽期は45〜47年の4ヶ年について、開花期は41〜48年の8ヶ年について、着色期は44〜47年の4ヶ年について示す。

　第2表　樹高および開張(m)　(昭48)

品　種区樹　高開　張

列間樹間

ジュ−ンピ−ト 1.6 1.7 1.4

畑　土 1.4 1.3 1.1

ル−ベルピ−ト 1.9 1.7 1.3

畑　土 1.4 1.2 1.0

コンコ−ドピ−ト 1.6 1.4 1.0

畑　土 1.7 1.4 1.1

　第3表　果実収量(一樹当りg)

品　種区 41年 42 43 44 45 46* 47 48 44〜48
平均

ジュ−ンピ−ト 18 372 508 2.297 2.606 59 2.272 2.440 1.935

畑　土 75 321 27 875 706 33 648 771 607

ル−ベルピ−ト 12 81 290 196 228 11 295 641 274

畑　土 13 33 48 146 173 20 341 604 257

コンコ−ドピ−ト 19 85 163 92 78 0 40 188 80

畑　土 7 56 51 181 19 0 145 208 111

　　注)　46年は前年の花芽着生不良と凍害により減収

　第4表　果実糖度(%)

品　種区 44年 45 46 47 48 平均

ジュ−ンピ−ト 10.9 11.3 11.1 12.8 12.3 11.7

畑　土 10.7 11.6 12.8 13.7 12.8 12.3

ル−ベルピ−ト 11.0 11.9 10.7 11.5 11.2 11.3

畑　土 11.1 12.0 10.8 12.6 12.2 11.7

コンコ−ドピ−ト 12.6 11.7 - 12.8 12.2 12.3

畑　土 12.9 12.6 - 11.5 10.9 12.0

　第5表　一果重量(g)

品　種区 44年 45 46 47 48 平均

ジュ−ンピ−ト 1.5 1.4 1.1 1.5 1.3 1.4

畑　土 1.6 1.3 1.0 1.3 1.2 1.3

ル−ベルピ−ト 0.9 1.2 1.1 1.0 1.2 1.1

畑　土 0.9 1.2 1.1 1.1 1.1 1.1

コンコ−ドピ−ト 1.6 1.3 - 1.3 1.1 1.3

畑　土 1.5 1.5 - 1.3 1.2 1.4

供試品種	コンコ−ド、ジュ−ン、ル−ベル
供試土壌	腐植に富む埴壌土(崩積土)
処理区	昭和41年春、次の区を設定し、供試樹(７年生)を植えた。　ピ−ト区　巾40cm、深さ30cmの溝にピ−トモスをつめて供試樹を植えた。　畑土区　ほ場に直接供試樹を植え、ピ−トモスで巾40cm、厚さ3cmのマルチを行った。
管　　理	1樹当り施肥量を41年はN,P各5g、K8g、42年および43年はN,P,K各10g、44年は各20g、45年は各30g、　46年、47年、48年は各20gとした。　薬剤散布は特別にはせず、りんごの薬剤散布の際についでに行った。(年数回)
調　　査	生育生態、収量、果実糖度、一果重などを調査した。

品　種	区	発芽期			開花期			着色期
品　種	区	平均	最早	最晩	平均	最早	最晩	平均	最早	最晩
ジュ−ン	ピ−ト	4.30	4.24	5.4	5.20	5.12	5.25	7.25	7.25	8.1
ジュ−ン	畑　土	4.30	4.26	5.3	5.20	5.12	5.26	7.24	7.24	7.30
ル−ベル	ピ−ト	5.3	4.25	5.6	5.31	5.22	6.10	8.2	8.2	8.13
ル−ベル	畑　土	5.3	4.26	5.6	6.2	5.29	6.11	7.31	7.31	8.2
コンコ−ド	ピ−ト	5.3	4.25	5.6	6.3	5.25	6.13	8.6	7.27	8.14
コンコ−ド	畑　土	5.3	4.26	5.6	6.2	5.28	6.13	7.29	7.25	8.2

品　種	区	樹　高	開　張
品　種	区	樹　高	列間	樹間
ジュ−ン	ピ−ト	1.6	1.7	1.4
ジュ−ン	畑　土	1.4	1.3	1.1
ル−ベル	ピ−ト	1.9	1.7	1.3
ル−ベル	畑　土	1.4	1.2	1.0
コンコ−ド	ピ−ト	1.6	1.4	1.0
コンコ−ド	畑　土	1.7	1.4	1.1

品　種	区	41年	42	43	44	45	46*	47	48	44〜48 平均
ジュ−ン	ピ−ト	18	372	508	2.297	2.606	59	2.272	2.440	1.935
ジュ−ン	畑　土	75	321	27	875	706	33	648	771	607
ル−ベル	ピ−ト	12	81	290	196	228	11	295	641	274
ル−ベル	畑　土	13	33	48	146	173	20	341	604	257
コンコ−ド	ピ−ト	19	85	163	92	78	0	40	188	80
コンコ−ド	畑　土	7	56	51	181	19	0	145	208	111

品　種	区	44年	45	46	47	48	平均
ジュ−ン	ピ−ト	10.9	11.3	11.1	12.8	12.3	11.7
ジュ−ン	畑　土	10.7	11.6	12.8	13.7	12.8	12.3
ル−ベル	ピ−ト	11.0	11.9	10.7	11.5	11.2	11.3
ル−ベル	畑　土	11.1	12.0	10.8	12.6	12.2	11.7
コンコ−ド	ピ−ト	12.6	11.7	-	12.8	12.2	12.3
コンコ−ド	畑　土	12.9	12.6	-	11.5	10.9	12.0