【指導参考事項】
1. 課題の分類  水田 (機械)
2. 研究課題名  育苗施設に関する試験
         (育苗床土用採土機の開発試験)
3. 期 間  (昭和48年〜)
4. 担 当  道立中央農試農業機械部
5. 予算区分
6. 協力分担

7. 目 的
 水稲の育苗施設に使用する床土の採取方法および調整方法を確立するため、水田土壌を砕土と同時に採取する床土用採土機を開発して育苗施設の床土確保と省力化をはかる。

8. 試験研究方法
1) 試験期日 昭和48年8月14日 及び 24日
2) 試験場所 中央農試機械部水田(乾燥田)及び栗沢町北斗(湿濁田)
3) 供試機種       
(1) トラクタ.F1AT415-S
(2) ロ−タリハロ−.クボタFH2000
(3) 採土機(試作品)
ロ−タリアタッチ方式
直栽型(容量150kg)1軸当爪数、
4本、L型、軸数11個、
ロ−タリピッチP=  S
            ━━
            NXN
P=ピッチmm
S=作業速度m/s
N=1軸当爪数

(4) 試験要因、ロ−タリ回転数、作業速度、採土深さ


9. 結果の概要・要約
 1) 場内試験
  (1) 作業速度及びロ−タリ回転数の増加により採土量は増加するが、採土バケット内の砕土率は低下する。
  (2) ロ−タリピッチ50mmの土塊分布は5mmφ以下80%で床土として直接利用でき砕土機等の処理は必要ない。
 2) 現地試験
  (1) ロ−タリピッチと採土量の関係は、場内試験と同じ傾向である。
  (2) 採土深さ20mmは10mmに対し約1.5倍量の採土量(毎分当り)が得られた。
  (3) 砕土率は、ロ−タリピッチ間に大差がないが、床土として利用するにはピッチ40mm以下にする必要がある。
  (4) 稲株は爪の表層作用で完全に分解し、株単位の残存はなかった。
  (5) 作業能率は単独作業で(積込みも同時)3.2t/h-人(4a×10mm)、組作業では(積込みはフロントロ−ダ)4.9t/h-人(6.1a×10mm)である。

10. 主要成果の具体的数字
 1) 場内試験
図-1


図-2


 2) 現地試験
図-3


図-4

11. 今後の問題点
 1) 作業中のバケット重量の増加で採土深さの増加を防ぐ対策としてゲ−ジホイ−ルの装着
 2) 何れのロ−タリにもセット可能な方法
 3) 採土作業の方法、床土処理対策

12. 次年度の計画(成積の取扱い)
 大規模育苗施設での実際の利用